正常なアメリカ?白人市民がキレる「フォーリング・ダウン」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

世界の警察と豪語するアメリカ、そのアメリカの極一般的善良なサラリーマンの

姿を借りて、なんでもかんでもアメリカ頼りの移民たちや、腹黒い経営者にキレ

まくって破壊し尽くす、アメリカの本音を笑いに変えた痛快な映画がこの本編である。

 


フォーリング・ダウン

 

http://jp.youtube.com/watch?v=3TKrMbM0K6E&feature=related

「フォーリング・ダウン」  九十三年公開作

 

主演はマイケル・ダグラスで、役名はデフェンスである。

もうこの役名で、主人公の立ち位置がわかる。

ようするに自分はまっとうなのに、まわりがあまりにも理不尽な言動で、我慢の限界を

超えキレてしまい、前後の見境なく暴れまくると、主人公個人としてみれば、簡単に笑

いが起こるが、この根底にある移民たちへの不平・不満や客本位でなく利益追求に躍

起になる企業とか、社会的不満も内在しているから、そこらを汲み取ると「白人も辛い

よ」的一面を見ることが出来る。

特に出だしのコンビニでキレる場面は、あちらでは差別主義者という意味合いを持つ

「コリアン」の経営する店なのが何よりの憤懣のたまり場であったを思い起こさせる。

何しろこの映画自体がロス暴動をヒントにしているのは、舞台が九十一年のロスであ

り、その頃は街全体がストレスを抱えて、「一触即発」状態であったにあるからである。

その中でアメリカ民衆の一番の憎悪の対象になったのが、「コリアン」であったは、暴

動で打ち壊される商店が、そのほとんどが「コリアン」経営にあったが物語ったている。

これについては、暴動後の読売で告げている記事があったので、それを引用。

 

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韓国人は何故襲撃されたのか?

黒人新聞「マネー・トークス・ニューズ」「韓国人は下劣・貪欲・傲慢・差別主義」
上記新聞は、「生まれてこの方、韓国人ほど冷酷で愚劣で無分別で、しかも侮辱的

で傲慢な人間に会ったことはない」とまで書き、同じく黒人新聞の「ザ・ロサンゼルス

・センチネル」は韓国人の貪欲さ、社会的貢献ゼロ、働き過ぎ、黒人蔑視を手厳しく

批判。
また黒人学生を対象に行ったある世論調査では、「韓国人は最も距離を置いた人

種」との結果が出ている。
一見したところ日本人だか韓国人だか見分けがつくと思えないのに、黒人社会では

はっきりと日本人と韓国人を区別し、対応を変えていたという黒人側の証言もある。
かつてカーター政権下で厚生教育長官の特別補佐官を努め、また米国進出の韓

国企業を顧客に法律事務を担当した経験もあるM・カルフーン博士(現在日本で日

本社会について研究中)は、「日本人と韓国人はまったく似て非なる人種。韓国人は

妥協するとか、相手の意見を聞こうとかしない点で日本人とは大違いだった」と指摘

している。

『THIS IS 読売』(1992年8月号)
「コリアンはなぜ嫌われたのか  ロス暴動と核疑惑の狭間」
高浜 賛(読売新聞調査研究本部主任研究員)
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こんな記事の後であれば、あのコンビニで主人公が暴れるのが理解出来る?かも・・・。

一市民をしてアメリカの本音を告げさせているのである。

「朝鮮戦争でいくら使ったと思っている?、コーラを六十五年の値段に戻せ」

という、いくらなんでも無茶な物言いを飛ばさせるのは、勿論この映画が根底にあるア

メリカ社会の歪みの一因に、消滅しかかった国家を多大な犠牲を持って救ってやった

にもかかわらず、感謝の気持ちもなく不遜な態度はなんだ。

こういった「コリアン」の言動があるとストレートに観客に告げている。

日本では、平和ボケした人々が「友好」と戯言を述べているが、アメリカでは移民政策

がアメリカ市民に弊害をもたらしたと思っているのが、娯楽映画の名を借りて告げてい

るのを、忘れてならない。

だからこそ、メキシカンの暴漢をやっつけ、報復を受ければ更にパワーアップして機関

銃、そして究極はネオ・ナチである。

この商店主がくどくど説明する軍靴を、大概客は笑っているがここがようするにアメリ

カが最大の犠牲を出した第二次大戦の元凶であるとなれば、善良なアメリカンにすれ

ばバズーカと相成ってなんでこんなに懸命に働き、生きているのに訳のわからん連中

が、祖国アメリカを跋扈しているのだ。こんな国は壊せ・・・。

と、捻くれた人間には、アメリカの本音が、あのメガネにネクタイをした冴えないサラリ

ーマン姿に、アメリカの姿を投影させたと見るから、狂気だとかキレる理由がなんてな

く、完全に理解出来る

痛快な映画である。

余談だが、このロスの街の雰囲気が第二次大戦以降、暴動まで発展したのはベトナ

ム戦争のその後が、変換の時期であった。

それはベトナム帰還兵の南朝鮮兵に対して、移民を許可しているのが一番の問題だった。

ベトナムでの残虐・横暴の限りを尽くした南朝鮮兵である。

それらの人間が祖国に帰りたがらずアメリカ移民を願ったというところに、自国民に

も嫌われる国の歪みがあるが、それ以上にベトナムで犠牲になったベトナム人にとって

は、憎悪の対象はアメリカよりは直接手を下した南朝鮮兵なのは当然である。

上の引用でも解るとおり、差別主義者とうまく付き合える法は、ないと思うべきで今日

本で一部変な人々の思惑に乗せられ「友好」という名の、いかがわしい付き合いを絶

たないと、この映画のデフェンスと同様、他人からは狂気にまみれたみたいな行動を

とる人になるとも限らない・・・。

 

フォーリング・ダウン
¥1,890                        といったところで、またのお越しを・・・。