哀愁の旋律が映画を引き立てる「さらばベルリンの灯」 | 流浪の民の囁き

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〇〇七映画のヒットは、数々のスパイ映画を作り出す原動力になった。

そしてジェームス・ボンドを人々に広く親しませたものに、やはり音楽は

欠かせないアイテムで、映画音楽としてだけでなくポピュラー曲としての

認識も広がり、サントラのアルバムがヒットするという現象も・・・。

その音楽を作り出したのが、イギリスの作曲家ジョン・バリーで、映画に

合わせた効果的音響は、見終わった後にも耳に残るものである。

で、そのジョン・バリーがジェームス・ボンドとは百八十度違う、哀愁を帯

びた旋律を響かせるのが「さらばベルリンの灯」である。



ベルリン


http://jp.youtube.com/watch?v=LZSEGZ66_O8&feature=related

「さらばベルリンの灯」  六十六年公開作


ジョージ・シーガル、マックス・フォンシドー、アレックス・ギネス、センタ・バーガー

と、名の知れた人々が出演したスパイ映画は、舞台が当時のベルリンだからか、

同じスパイ映画のジェームス・ボンドとは趣きが違い、何とも暗い・・・。

というか、諜報部員が活躍といっても、それはどちらかといえば暗躍に近くボンドみ

たいなのばっかりだったら、それこそスーパーマン、いや超人並みの体力と最新鋭

の武器を携えて・・・、実際、ボンドは製作される毎に武器も派手、そして敵も強力に

なっていったものだ。

それに比べて、こちらはいかにも正統といえるスパイもの。

これと時を同じくした「寒い国から来たスパイ」なんてのも、とても基調は暗く陰鬱な

印象になった。

そんな作品が記憶に残るのは、やはりバックに流れる音楽の威力が大きいからだろう

この映画も、出だしから哀愁を帯びた旋律が耳に残り、諜報部員の悲恋も加われば

邦題のようなセンチメンタルな気分に観客をしてくれる。

にしても、ドイツ、ネオナチのボスがシドーとなると、英国紳士然としている人間の匂いが

漂い、チョット違うんでないかい、また主役のシーゲルも合っているとは言いがたいし、

相手役のセンタ・バーガーの悲しい表情との違和感が感じられる。

と、作品の内容より、この映画、音楽の秀逸さが結局のところ、映画に哀愁を帯びさせた

ってな、感想になる。

それとこの映画はやはり邦題の付け方に良さもあった。

野生のエルザ
¥3,591                 「野生のエルザ」を紹介することもないので、ジョン・バリー
                      の音楽作品ということで、リンクしておきます。
                      というか、「さらばベルリンの灯」がなかっただけですけど
                        といってところで、またのお越しを・・・。