「愛と喝采の日々」で触れた女性の自立だが、その自立が男性と同じ立場や職種、そして
地位とかの拘りはいつ頃出てきたものだろう。
「ウーマン・リブ」の究極が「ジェンダー・フリー」思想だとすると、いささか「違ってないかい?」
とやっかみたくなる。
そしてでは、その昔の女性が虐げられ、自立していなかったかといえば、そうではなく自分の
本分としての立場をわきまえ、充分に自立した人間であったとなるような気がする。
そんな昔の心意気の気高さを見せ付けてくれる映画に「西部開拓史」がある。
http://www.youtube.com/watch?v=h7r7gjsXqH8&feature=related
「西部開拓史」 六十二年公開作
他のサイトで書いたものの転載です。
その関係で多少、話題がずれているのは愛嬌でお許しください。
古い映画だが、見てみると新しい発見がある。
この「西部開拓史」も製作は古いが、私が見たのは今である。
すると古臭い映像から、「温故知新」が見えてくる・・・。
この映画は大作らしく、有名俳優がそして名監督達がオムニバスで
製作・出演している「シネラマ」という技法の映画である。
もっともテレビの小さい画面からは、そんなものは見えてこず、フロンティア
スピリットの受難と意志の強さ、そしておおらかな人間ドラマ・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=P5ItNxpwChE&mode=related&search=
まずはこの映画の主題をなす曲を聴きながらがいいと思います。
もっとも使ったのがイメージ・ビデオ的映像ですから、この映画とは
関係がないので、曲だけ聴きながらって使い方がいいかも・・・。
(ただかなり綺麗な映像です、見ていて飽きません・・、念のため)
曲はイギリス民謡「グリーン・リーブス」これをデビー・レイノルズっていう
女優がステージで歌うのだが、この郷愁を誘う音調は、この当時も良く
聴かれていたのだろうし、また歌っていたものだろうと思う。
結局、先住民を追い出して、移民たちが開いた国土な訳でありまして、
その移民の三代記がこの映画であります。
簡単に言ってしまえば、これで終わりであり、子孫を残す人々はそれなりの
財を成した人ってことになる。
先のエントリー「ルーツ」でも黒人の三代記を書いたが、これもそれと同じに
見るのは、とてもできる話ではない。
あちらは強制された人々、こちらは自らの意思、いや自国にいても埒があか
ない貧しい人々である。
ここらにちらっと皮肉が・・・。(パクリ好きな人々、参照)
それはさておき、ここで移民にとって未開の土地への旅の苦労が体現され
ているのだが、なんと言っても女性の存在感とりりしさに後光がさして見える。
少女から女性への精神的気高さは、成長と共に母親の偉大さに移り、礎に女
性の役割の大きさを実感させる。
場面場面で、それが如実に現れ、このところのただ要求するジェンダー・フリ
ーだとか、フェミズムとは対照的な女性像がこの映画には描かれている。
だからかとても私には、魅力的に映った。
敬愛すべき女性、また母親・・・。これは当たり前のことだ。
何しろ、女性からしか人類は生まれてこないのだし、その女性はどうしても人
一倍賢く、そして気高い精神を持つ人でなければ、後が続かなくなる。
話しは脱線するが、私はテレビ東京の「奥さんは外国人」って番組が好きだ。
まぁ、出てくる人はそれなりに日本で根を張った人々なのだが、なぜか皆、凛
々しいし精神的に強い、そして良き母親達だし、日本を理解している。
昨夜もブラジルからの奥さんだったが、これがなんと整体師ってだから、驚き
だ。何しろ日本語、中国語を理解しないとならないのに・・・。
感心させられる人達ではある。
そして「西部開拓史」に話を戻すと、この「奥さん」達と、まったく同じ境遇で生
き抜いた女性達と言えるのではないだろうか。
そしてその女性の役割を理解し、また敬愛する男達が織り成すドラマ・・・。
そこにはエゴもあり、逃避もあり、また先住民、意見の対立で内戦もありと、
一大叙事詩なのだが、三人の監督だからか、少しずつ違った撮り方に疲れを
感じるのだが、アメリカ成立にとって、こんな人々がって知るにはいい作品だ
まぁ、過去を追及するのを嫌っている私だが、こんな歴史は見ていて楽しい。
もっとも裏を読むと、少しつらい思いもするが・・・。
ただ女性の描き方がいい、特にデビー・レイノルズの気高い精神には、こん
な時代でもって、はっとさせられた。
古い映画で、アメリカ万歳って見ずに、女性に焦点を当てて見ると「温故知
新」が素晴らしい言葉と思える・・・。
とまぁ、どこの位置であっても女性の自立した精神は気高いし、男勝りという
語句に惑わされず「自立した人間」を目指すべきで、職業とか男との競争で
なく、「母」という人間を生み出す最大の自立した人間は、女性だけである。
と、思うのは私だけ?・・・。
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- Amazon.co.jp と、転載で誤魔化しながら、またのお越しを・・・。