成り上がりの破綻が哀しい「ジャイアンツ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

その昔、ブルジョワ、プロレタリアートの語句が世を席巻した。
現在、貧富の差は拡がり上流、下流社会が形成されている
らしい。その言葉に「ジャイアンツ」という映画を思い出した・・。




http://www.youtube.com/watch?v=yH6CTryGP8c

「ジャイアンツ」 五十六年公開作


http://www.youtube.com/watch?v=yuxkb7Ws-bw

油田を掘り当て一躍、金持ちになったディーンの心の壊れ様シーン


映画「ジャイアンツ」は、アメリカ西・南部の富豪、綿花・牧畜で財
をなした家に東部のブルジョワ家庭から嫁いでくる女と、その主
人と野心に燃える牧童の物語である。
勿論差別問題も、貧富の酷さも、全部ない交ぜにした映画で、そ
れに道ならぬ恋愛を絡め、人々の葛藤を描く。
ジェームス・ディーン演じる野心満々の牧童の、執念の石油開
発、探り当て一攫千金、しかし望むものの手に入らない心の破
綻、家族に先住民が加わる主人の苦悩と、自分の心の狭さに
気づく場面は、なかなか秀逸で、見ごたえのあるアメリカの余
裕の時代の作品だ。
これを思い出したのは、やはりディーン演じる成金が、素養のな
さゆえのジレンマに心が破綻していく様が、格差社会と叫ぶブル
ジョワ記者に重なるからだ。高年収を得ている人がいくら格差を
いっても、それは誰も耳をかさないし、ましてテレビなど高収入
のアナウンサーが告げるのは空々しい。
第一庶民で「六本木ヒルズ」に誰も住みたいと思っているわけ
でなく、たとえば「温泉」で幸せを感じる人の方が多いのでは
ないか。官僚批判する労働組合官僚では、話にもならない。
プロレタリアートなど、死語だろうな。
要するに今の世に中、いかに政治利用が旨い者が富を得、
それ以外の者が割を食う世の中、世相なのだろう。
それだけは実感できる・・。


昔のことをしみじみ懐かしむってのは、それはそれで・・・。

http://jp.youtube.com/watch?v=6RrdGmzQzu8

「センチメンタル通り」 森田童子

ジャイアンツ
¥2,720
Amazon.co.jp



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                    これも一年前、別のサイト掲載のものの再掲載で

                    あるが、あの時と今でもやはり、五十年前の映画

                    のように、格差は酷くなる一方である。

                       といったところで、またのお越しを・・・。