二十世紀初頭の最初の紛争は、中国で起こった。
義和団という中国の民衆蜂起で、山東省から広がり始め、時の政権「清」は
欧州列強との軋轢に、この民族蜂起を利用して、宣戦布告をしてしまう。
そして北京にあった各国大使館がこの義和団に包囲されてしまう。
そこで各国は連合軍を組織し、この団体殲滅に・・・。
要するに紛争でなく、戦争であるが、立ち上がり五十五日で解放としたという
http://www.youtube.com/watch?v=cd2eIjqWUUs&feature=related
「北京の五十五日」 六十三年公開作
映画画像を保存していないので探したがない。アマゾンでの検索でヒットした
義和団事件から以降の民衆殺戮という、面白い本があったのでそれをリンクしてみた。
といっても、アマゾンのリンクはこのサイトしていないので、興味がある方は検索を掛け
られたのがいいかと・・・。
映画は先日亡くなったチャールトン・ヘストン主演のオールキャスト映画である。
それにしても不思議なのは、この映画、西洋からの見方が多少あるとしても、アマゾンで
も映像の検索ではなかった。どんなに酷い映画でも、これまでヒットしないことはなかった
のだが、その上だからか、どこにも映画紹介レビューが見当たらない。
で、この映画は義和団という民族主義的決起、要するにその当時、中国は欧米列強に支
配され、その上、時の政権は西太后が実権を握る完全な封建主義で、またこの西太后が
政治をするでなく、権力に胡座をかくという、まるで始皇帝の死と共に、圧政に苦しむ庶民
が蜂起した黄布党並みの乱れた世の中、だから民衆は溜まったものでなかったもので、
義和拳を習得する民衆の蜂起だから団と呼ばれるようになった。
その頃はキリスト教が一気に強制的に広まり、それへの反発もあったもの・・・。
で、映画の視点は包囲された方の視点だから、苦難も何もすべては義和団の横暴となっ
てくるものだが、ここらは権力者の身の保身に醜さが溢れている。
義和団を利用して「宣戦布告」したはいいが、五十五日で形勢は逆転すると、政権を投げ出
し、身の安全をとなる身勝手さは、どうにも・・・。
ここで連合軍で大活躍したのが、日本軍であり規律・態度の素晴らしさに、この後日英同盟
が結ばれるという、評価がなされている。
他のサイトで、この義和団からのものを取上げていたので、それをリンクして、当時の日本軍
がどういう取扱を受けたかを・・・。
「徒然るままにエッSAY!」さんサイトの記事を引用したいと思います。
http://blog.livedoor.jp/wildhorse38/archives/2005-04.html
引用開始
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日本軍は、近代国家として始まったばかりということもあり、国際条約にも、軍律も非常に厳しかった。
それによって、イギリスの新聞で「日本軍はすばらしい。これだけ軍律を守れる国は世界にも数える
ぐらいしかない」などと書かれ、このときの日本軍の軍律が一級品と評価され、日英同盟の締結の大
きな要因ともなり、世界中からも高い評価を受けた。
しかし、支那事変が起きて長期化していくうちに、段々と軍律は乱れてきたので引き締めの意味も込
めて戦陣訓が出された。
また、支那軍(中国軍)は、昔から民族性もあり、残虐な行為をする軍隊である。
日本軍と支那軍が戦っているときに、日本軍の捕虜は、かなり無茶苦茶なことをやられたのである。
学校の教科書に載せられていた支那婦人に対する残虐な処刑は陵遅の刑(りょうちのけい)と言
伝統的な中国の処刑のやり方であり、日本兵がやったことにすり替えた。日本人には乳房をえぐり
取る発想はない。『支那民族性の解明』池田正之輔著に詳しい。
また『ワイルド・スワン』に共産党員が地主の女性達を強姦したあげくに乳房を切り落とす場面が出
てくる。
彼らのやり方は生きたまま顔の皮をはがされたり、耳を削がれたり、目を刳り貫かれたり、鼻を削が
れたり、手足を切断されたりしていたのである。もっとひどいのは首かせをされて宙づりにされ、自分
の体重で首から抜け落ちるまでぶら下げられたりした。
支那軍が日本人街を襲った通州事件では、束にして鼻や手をぶち抜いて針金を通したり、女性を逆
さ吊りにして股間に異物を突っ込んだり、妊婦は腹を裂いて赤ん坊を出したりしたという証言もある。
支那大陸ではこれらが通常の姿であった。
それで日本軍としては、あまりにも残虐すぎる支那軍のやり方を見て、捕虜になってあんな無惨な
殺されかたをされるのだったら、いっそうのこと腹を切ってでもその場で死んだ方がましだというとこ
ろから「生きて虜囚の辱めを受けず」が強調されたのである。
軍人として人間としての尊厳を守るための教えでもあったわけです。
戦陣訓は、戦場道徳を守りなさいというのが本来の趣旨だったのが、その一部分だけが突っ走った
のが現実である。
その一部分だけを捉えて戦陣訓はどうだったとか、軍人勅諭はどうだとかの批判をすべきではない
のである。
我々が日本の色々な問題を考えるときに、とかく言葉じりだけを捉え批判する傾向があるが、本来
を言いたいのか、本質的なことは何だろうということをしっかりと読みとることが大事だと思う。
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引用終わり
この義和団は、それこそあだ花的に消滅するが、ここで問題なのは中国における宗教の捉え方で
時の政権はいつでも宗教弾圧を繰り返してきた。本来であれば心の拠り所として奨励するはずのも
のだが、政権を揺るがすものとして忌み嫌う傾向がある。
そして現在も宗教でもない法輪功は、チベット仏教と並び、酷い弾圧を受けている。
歴史から見て、権力を握る人々にとって宗教的絆が力を蓄えるのを良しとしない風土が、中国では
あるのだろう。だから文化大革命でも、文化財として貴重なものもその価値を無にして破壊してしま
う。現在もチベット仏教の貴重な文化破壊が出来てしまう遠因が、この「北京の五十五日」に描かれ
る義和団騒動から尾を引いている・・・。
ちなみにこの「北京の五十五日」は日本も参戦しているだけに、日本の俳優も出演している。
今は亡き伊丹十三で、日本の司令官役であった。
にしても、エバ・ガードナー、デビット・ニーブン等、相当に名の知れた人々が出演しているにも関わ
らず、レビューもそれ程存在せず、ましてビデオもないとは一体、どうしたものか・・・。
ジェス・フランコやハマーも良くて、歴史の一場面がいけないのはなぜか・・・。
と、突如、思い出し当然あるものと思ったものがないのに、違和感が溢れてくる・・・。
中国がモデルは、それも義和団がいけないのか、なんとも・・・。
といったところで、またのお越しを・・・。
追記 アマゾンでloveシネマ2500の中の一本として、DVDがありました。