捏造・偏向のドキュメンタリー映画「世界残酷物語」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

ドキュメンタリーと謳い公開される作品は多い。

そしてそのドキュメンタリーという手法において、やはりインパクトの

あるのは、目を叛けたくなる残酷場面であろう。

そんな映画に「世界残酷物語」というのがあった。

イタリアの監督ヤコペッティのものであるが、真贋のはっきりしない

映像を、こまめに集めてそれを一本の映画にしたためたものであるが

情報機器の発達していない時期では、映像を見る者は判断がつかず、

その映像を真実と捉えてしまう錯誤が起こっていた。

 


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http://www.youtube.com/watch?v=UWN8TzXjSCY

 

「世界残酷物語」 六十二年公開作

世界の奇習・風俗を紹介しただけの映画が、それまでなかった知られざる世界

というコンセプトが人々に好奇心を持たせ、世界中でヒットした映画となった。

中には日本も取上げられていて「東京温泉」と名づけられていたのは拷問みたいな

マッサージを受ける男性で、当時としては珍しい風俗として取上げられていた。

ただ、監督の思惑はどうしても下衆な低俗視点だから、これに紹介された芸術家は

編集と自分の高尚な芸術論のギャップにショックを受けてしまう。

監督の撮りたい思惑と、芸術家のその抱く世界がというより、監督自体が覗き趣味で

それにあわせた映像・カメラワークである。

ただそういった視点が、残酷場面と裏腹な「モア」という美しい音楽のコラボで大衆には

受け入れられた。で、続編も作られた。

 

http://www.youtube.com/watch?v=FOvY4u-9xQo

 

「続・世界残酷物語」 六十三年公開作

こちらになるとネタが尽きたのか、やたらと低俗気味になり、この映像の音楽といえるか

どうかのコンサートを延々と撮っている。

さて、こんなコンサートをしたのかどうか・・・。

刺激的映像に拘るあまり、ドキュメンタリーが越えてはならない一線を踏み外す。

後になればばれる可能性があるのに、色々な圧力・プレッシャーに追い込まれた結果・・・。

と、良い方に考えればそうなっていった・・・。

http://www.youtube.com/watch?v=wYqcEnsT8pU
「世界女族物語」 六十三年公開作

こちらは世界の女に焦点を当て、作り上げた映画だが、そこにはこの監督ヤコペッティの

女性蔑視の思想がたっぷりとあふれていて、視点がやたらめったらあやしい親父目線で

世界の女性を捉えている。

で、リンクしたのはイスラエル女性兵士なのだが、見ていても分かる視線の思惑にげんなり

する。ジェス・フランコも真っ青、ラス・メイヤーも脱帽の映像に仕上がっている。

この後にも「さらばアフリカ」「残酷大陸」と、延々と差別視点での映画は続いた。

もっともここに商売が絡むから、顰蹙を買おうが見る客がいる限り「商売・商売」が成り立って

しまうのには、少々映画もいろんな利用のされ方があると、ドキュメンタリーと銘打つものには

いかがわしい思惑が潜んでいるから、ある程度の知識と怪しむ気持ちで見ないと、とんでもな

いことになる。

で、捏造されたあるいは違った思惑に翻弄された人のマメ情報

電子百科事典「ウィテペギア」に載っていたものを引用。

 

  • 劇中で紹介される芸術家イヴ・クライン は、試写会で本作を見て激怒し、心臓発作を起こし
  • て数日後に死亡した。激怒した理由は、彼が映画のために作曲した音楽が使われていなか
  • ったためだとも、悪意ある編集のせいだとも言われている。
  •  
  •  

    で、この世界残酷物語を思い出したのは、いま話題になっているドキュメンタリー「靖国」で、出

    演している刀匠が、出演過程と出来上がった内容が違っていると発言、それに対してメディア・ス

    クラムで上映中止に「言論の自由」をかざして一斉に記事を新聞等で載せているが、さて、この

    刀匠の意見はどうする・・・。

    そもそも日本人でもない者が、それも靖国神社を外交のカードにする国の人間が作ったものが

    偏向していない訳がない。それを言論の自由が脅かされると、一応に書きなぐる日本の情報を

    司るマスコミは、出演している人が製作段階と出来上がったものがまったく違ったものでは捏造

    ではないのかということだ。 イブ・クラインが試写会で激怒と今回は全く同じ理屈である。

    要するに製作者側は出演者を騙して、取り終えて編集段階で内容を変えてしまう。

    そりゃ出た人は激怒しよう、その人の「人権」が弄ばれたことになるのだ。

    「言論の自由」の前に「人権」だろうが!。

    昔からこういった汚い手を使って印象操作をするやからは後をたたない。

    そしてチベットを見ても分かるとおり、あの国には「人権」はなく、あるのは変な理屈に凝り固まった

    利権と身の保身だけが関心の対象の鬼畜にも劣る人間どもである。

    それを「錦の御旗」よろしく、あの国がこういったとどうでもいいことでも「ポチ」のように書いてきた

    朝日新聞の記者は、この刀匠にどう謝るのだ・・・。

    チベット人の人権とクジラの生命でクジラが勝るってのはいくらなんでもですよ、豪州の偉い人

    そして偉そうにテレビでこの「靖国」の上映中止を貶した人、「人権」は守られるべきですよね。

    それともヤコペッティ並に、やった者勝ちの世界かい?

     
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