流浪の民を救いし「十戒」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き


チャールトン・ヘストンの映画といって、さっと思い出すのは「十戒」の

モーゼ役である。

エジプトを追われ、眼前の海に対しての毅然とし、そして祈りを通じさ

せるシーンには、映画と分かっていても、びっくり仰天で、幼い目には

なんと素晴らしい人なのだろうと、映ったものだ。

って、映画も史実もへったくれもない幼い時の記憶って、ちよっと恐ろしい

記憶にあるのは、実際そのシーンだけ・・・。

今見ると可笑しくて笑いが起きるが、ヘストンの声はどうしたものか神秘

かかって聞える。



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http://www.youtube.com/watch?v=lYK3it70uCE&feature=related

「十戒」 五十六年公開作 パート一


http://www.youtube.com/watch?v=H2kg2mgrUEc&feature=related

「十戒」 パートニ

旧約聖書の一部分を取り上げ、流浪の民に安住の地を得ようと奮戦するモーゼの

生涯を描いた映画。

特撮が今ほど発達していない時代のスペクタクルは、デジタルの数字の作り物的

香りがせず、製作者の苦労が偲ばれる人間的温かみや仕事に対する真摯な態度

を感じてしまうのは、今だからかもしれない。

にしてもエジプトを追われ、海を割って流浪の民の窮地を脱するという壮大な空想

には、旧約聖書を買わせるだけの力を持っていた。

もっとも買ったはいいが、ほとんど理解不能の幼さは、積読になってしまったが・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=8SOT0ofuscU

「ペン・ハー」 五十九年公開作

「十戎」と同じくチャールトン・ヘストンの主演映画で、ローマ帝国時代のユダヤの豪族

の一人として描かれる。豪族であってもローマ支配の時では奴隷であり、それゆえ辛酸を

舐めるという設定で、兎に角長い映画で、確か休憩があったと思う。

そしてワイド・スクリーン、七十ミリというフィルムの良さが、この画像にもある馬車による競争

場面では遺憾なく発揮され、その壮大な舞台設定に圧倒された。

物語はキリスト教礼賛のものであるが、ベンハーの苦難と不屈の魂というものを良く描いていた。

これも勿論、右も左も良く分からないうちに、ただただ噂を耳にして見た映画で、それも田舎には

ないワイド・スクリーンを求めてわざわざ遠出をしてみたものだった。



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http://www.youtube.com/watch?v=-w_YZa_ooZ4

「偉大な生涯の物語」  六十五年公開作

上の二作同様だが、これはもろイエス・キリストの生涯を描いた大作で、

生誕から磔、そして三日後の復活と、新約聖書に基づいた史実ということに

なっているもの。ここでもヘストンはキリストを認めたヨハネとして出演している。

主役のキリストは、その風貌も似ているかもしれないマックス・フォン・シドーで

オールスター・キャストの壮大なキリスト礼賛な映画となっている。

もっとも権力者にとって、宗教の及ぼす影響力は何より恐怖に満ちているという

のは、封建主義の歪んだ精神性が、人間を人間と認めないという権力側と搾取

されるだけの側という構造の崩壊を防ぐという意味において、どうしても邪魔な

存在としてのみ捉えられる。

それは現代でも息づく差別意識として残っている。

朝日新聞に載った川柳に「五輪前、どうにも邪魔な生き仏」なるものが載ったが

これなどは、別の形でのレイシストぶりを発揮している。

要するに宗教とでも言いたい共産主義礼賛の人々にとっては、固定した価値観は

博愛主義的宗教からその博愛を抜き、絶対的価値観を共有という強制により、そ

れからの逸脱は許さない。あるいは違った価値観は絶対に認めない。

という狂気に近い近視眼的思考法で、これの大家が今の中共中国であろう。

何しろ国民の一割に満たない共産党員が支配する国である。

ここで共産主義と書いているが、別段共産主義がその理想を具現化出来る体制が

あれば、もっとも理想的なイデオロギーではあるのだが、残念ながら今の主義・主張

はそれを利用しているのに過ぎない。

中共中国を批判するが、あの国は空恐ろしい昔から権力闘争に明け暮れ、実際は共

産の土壌はなく、権力を掌握するのに利用しているのに過ぎない・・・。

と、どんどん横道にずれていくので、ここらで止め・・・。

この映画も、とても長く実際は所々寝ていて、見ていない部分が多々ある。

それでも信心が広まるには、それなりの理由がありと理解出来る。

こちらは別にキリスト教とかでなく、死ねば戒名を頂いてご先祖様の墓に入る身であり

といって熱心な仏教者でもない。日本で一番多い多神教、神様はいくらいても困らない

類いの人間である。

それでもサイトのタイトルが「流浪の民の囁き」である。

で、流浪とイメージするとこの「十戎」の人々も「ベン・ハー」もまた「偉大な生涯の物語」

にも、常に難民が付きまとうのである。ここらで取上げる理由はある・・・。

まぁネタが尽きて、チャールトン・ヘストンの訃報で「北京の五十五日」と共に、思い出した

ご都合主義的・・・、といったころに落として、実際は流浪はジプシーという人々をさし、その

人々が土地土地での風土に溶け込み、また自分達の持つ特技をと、シャーマンの「流浪の

民」という楽曲もあるが、単純にジプシー・・・、でこの人々の影響で「フォーク・ダンス」は広

まったのではと推測している。何しろ踊りと鍛冶屋と占いがジプシーの際立っている特技で

ある。だからアニメでは「鋼の錬金術師」などがあり、と・・・。長くなり出して・・・。

フォーク・ダンスって、考えるといにしえの言い伝えを良く踊りに表していると思う・・・。

そこで、おまけのようにこんなものをリンクしておきます。


http://www.youtube.com/watch?v=n_rqhMIII44&feature=related

「マイム・マイム」

イスラエルの民が好むものだが、ここにも「旧約聖書」が埋め込まれている。

生命の命綱「水」、この曲はそれへの賛歌である。

もっともリンクしてあるのは、日本だなぁと、微笑むものです。


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                  といったところで、またのお越しを・・・。