野外コンサートのドキュメンタリー映画では「ウッド・ストック」が有名であるが
その二年前に行なったコンサートが野外でのロックの催し物としての端緒と
なった。それがフラワー・チルドレンが会場を埋めた「モンタレー」である。
野外コンサートをドキュメンタリー映像にして、そのまま映画にしたものには、
撮影者の思い入れも含まれ、また嗜好も加味されるから、どこか満遍なく
アーティストを捉えるというのは難しいものがある。
その点で、この映画は不満がくすぶる結果となっている。
映像も急こしらえらしいブレも見られ、見難い場面も多々ある。
それでもお気に入りのバンドなりの映像は、見ていて引き込まれる
http://jp.youtube.com/watch?v=mGJynZNr7rk
「ボールアンドチェイン」 ジャニス・ジョプリン
それまで無名であった彼女を、一夜にしてスターダムに押し上げた歌声。
http://jp.youtube.com/watch?v=m-aoaXNYI0c
「ワイルド・シング」 ジミー・ヘンドリックス
こちらもアメリカでくすぶり、イギリスに渡りバンド結成しての凱旋で一気に
ブレイクした。
http://jp.youtube.com/watch?v=GcndMdD4zDI&feature=related
「マイ・ジェネレイション」 ザ・フー
ここはパフォーマンスとしか思えない楽器への壊し方をしているが、「さらば青春の
光」の鬱積した不満の爆発とも取れる。
http://jp.youtube.com/watch?v=3UlQVhMAbwg&feature=related
「トライ・ア・リトル・テンダネス」 オーティス・レディング
ロック・ブルースときて、リズム・アンド・ブルースの大御所は違った動画にしてみた。
「モンタレー」版は、歌い手への配慮に欠けているからだ。
ここらに批判がある映画になってしまった要因がありそうである。
ステージでのパフォーマンスは、このオーティスが一番である。
http://jp.youtube.com/watch?v=-wI6uAOHzvo&feature=related
「夢のカリフォルニア」 ママス・アンド・パパス
このコンサートを企画・立案したのは「サンフランシスコ」を拠点に広めていった
このグループがあったればこそで、髪にかざす花に反戦・平和・自由の願いこめ
「フラワー・チルドレン」の命名になった・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=TlQCuq-eezg&feature=related
「花のサンフランシスコ」 スコット・マッケンジー
この曲が「フラワー・チルドレン」の代名詞になった曲、作ったのがママス・アンド・パパス
と、歌ったのは当時、無為な生活を送っていた青年・・・。
当時のウェスト・コーストには、ベトナム反戦、社会への不満を募らせる若者が集結して、
それまでの音楽とは違った視点が広まり、価値観が多様化し、何より商業主義が批判さ
れた。髪に花を飾り、それが反戦・自由の象徴として認識された。
で映像には、会場のあちこちが映るが、そこには幼い子供の姿が多数見かけられる。
こういった価値観の親から育つ子供が、どう成長していったのか・・・。
虐殺五輪の血塗られた聖火リレーが、この町にもやってくる。
さて、四十年前悲惨なベトナム反戦に、静かな批判を浴びせた人々は、いかにこの聖火
を迎えるのだろうか・・・。
出来うるのならば、テレビ画像で
この「チベット国旗」で沿道を埋め尽くしてもらいたい。
「人権」意識の強いお国柄を、まざまざと見せ付けて欲しいものだ。
四十年前と変わらない、優しいやり方で・・・。
それが長野へ、受け継がれていく・・・、静かな抗議も、人々に響くものだ・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=xH7oImK6ZuY
静かに訴える掛ける映像、こういったことが現実に行なわれている。
迫害を受けるのは、決まって武器を持たない弱い立場の人々・・・。
その迫害者が「平和の祭典」の聖火リレーをしている欺瞞に、批判が起こって
当然である。妨害ではなく、抗議の運動である。