「リトルショップ・オブ・ホラーズ」もそうだったが、この怪奇小説も歌という魅力を
付け加えると、醜いあるいは邪悪な精神も、見事な恋愛として甦る。
世界中で公演はされる、映画となるミュージカル「オペラ座の怪人」だが、そこは
やはりホラーとして、それなりの恐怖として描く手法のものも、それなりに小説の
コンセプトは守っているし、作者の思惑もそちらにある・・・。
六十二年にあのハマーが映画化している。
http://www.youtube.com/watch?v=RG6mtx5pfIc&feature=related
「オペラの怪人」 六十二年公開作
監督はテレンス・フラッシャーで、ハマーのゴシック・ホラーが随所に現れ
怪奇小説らしさが溢れている。
で、実際に見た時は、相当恐い思いをしたものだったが、ミュージカル化され
「オペラ座の怪人」って、最初別物であるという認識だったのだが、なんだか
似ているなぁ、以前はおどろおどろした恐いばっかりのものが、歌に混ざり合
うと恐いとか人間の業の恐ろしさって和らぐものなのか・・・。
こんな物語だったっけ、で、見直してみればああやっぱりハマーだ。
オチもさすがハマー、何も仮面を取らなくても助け出せるものを、わざわざ
醜い顔を晒して助け出す・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=tfN8mKCNJk8&feature=related
もう何度もいろいと趣向を変えて作られたものだから、こういったラストは
意外かもしれないが・・・。このエンディング、なかなかだ・・・。
見ている人にはその方が、その場が印象的になる。というかこの主人公の悲
劇性が高まる・・・。
にしても、千九百年初頭の小説が、形を変えたにせよ現代でも披露される。
というのはオペラが持つ普遍性が、欧州では古典芸能として息衝いている証
なのだろう。そしてかぶれの日本人には、薪能よりはオペラてな・・・。
ただこの映画と、「ノートルダムのせむし男」のヒットでユニバーサル映画は生
き長らえたってのがあるし、昔はフリークスものが公然と、批判の対象になる
ことなく、恐いもの見たさに観客を劇場に呼ぶ・・・。
だからホラーもラブ・ロマンス要素をもっていれば、そのうちミュージカルとなっ
て、脚光を浴びるかも・・・。な、ことはないか・・・。
- オペラ座の怪人
- ¥449
といったところで、またのお越しを・・・。