プロペラ飛行機という今では、一時代前の花形の映画には、
今見れば「昔は良かった」的ノスタルジィーが漂ってしまう。
ただその当時を、リアル・タイムで体感した人以外でも、郷愁を
誘われるのは、近頃演歌歌手でデビューした黒人を知った時、
またその歌う姿に、著しい親近感を抱く気持ちに似ている。
http://www.youtube.com/watch?v=nRnxSyRdrx0
「翼よ、あれが巴里の灯だ」 五十七年公開作
誰でも知っているリンドバーグの単独大西洋横断の快挙を
映画化したもの。
ここでも主役は、ジェームズ・スチュワートが演じている。
この役者、他にはグレン・ミラーも演じているが、当時のアメリカ人と
して、ハンサムではあるが、人当たりのいい顔立ちから、そして何より
ほんの少し頼りなげなところも、その人物の苦境からの立ち直りに、共感
を覚えるという、広くあくのない人物像として貴重な存在だった・・・。
この当時、ヒコーキでの単独というのは、星の王子様で有名なサンデジュ
ペリーの夜間飛行などを読むと、なおさら大変な偉業だった。
こういった先人達が切り開いた道が、現在に繋がっていると、考えれば
古い映画という概念でなくとも、郷愁を呼び覚ますものだ。
http://www.youtube.com/watch?v=z7SNDVR_JOg
「飛べ、フェニックス」 六十六年公開作
ジェームス・スチュワート、リチャード・アッテンボロー、アーネスト・
ボーグナイン等、そうそう「シベールの日曜日」のハーデイ・クリュガー
も出演の飛行機が砂漠に不時着して、その苦境を脱するまでの奮闘を
描いたロバート・アルドリッチ監督の秀作・・・。
苦境にたたされた人間の群像劇には、知恵と工夫と根気が何よりのもの。
密室劇じみた物語も、ラストの工夫での脱出は、流石に邦題の言葉が実
感できる。
出ている役者がキャラクターを際立たせるから、変化のない物語も飽きさ
せることなくラストへと導いて、見終わった後の爽快感が味わえる・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=sA8yMNh0T18
リメイク版
こちらは今流行のリメイクだが、人間劇としては相当に弱く、巻き込まれる
砂嵐の場面の凄さだけが印象に残る、ただのパニック映画に成り下がって
いる。ここらが監督の力量の違いと、役者の質の近いか・・・。
きしくもニ作品とも主演はジェームズ・スチュワートであり、この人のキャラク
ターは、絵になる。
で、やたら検索を掛け、いろいろな映画の動画を発見したので、また機会が
あればこの俳優の・・・。
まぁ、その中では「スミス、都へ行く」は最高の出来ではなかったろうか・・・。