「プラトーン」「七月四日に生まれて」の二本のベトナム戦争映画で、
アカデミー監督賞を獲得したオリバー・ストーンのやはりベトナム戦争
を描いた映画・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=0_fz9zJ9akQ
「天と地」 九十三年公開作
ベトナム戦争のベトコンと戦う兵士の至る狂気と冷徹な上司との軋轢
が悲劇的な結末へと進んでいくのを志願兵の目を通して描いた「プラトーン」
その志願兵が負傷して帰還した後、帰還兵が受ける社会的無関心と戦場の
痛ましい現実とのギャップを描いた「七月四日に生まれて」という二本の作品
ではアメリカの現状と社会の厭戦気分の現実には、とてもマッチしている映画群
なものだから、多少の偏見や独善的描き方でも、悲劇的映像としてそれなりに
観客は集まった。
で、この「天と地」は、二作品とは趣きが変わって、ベトナム人女性の四十年を
描いているのだが、戦乱を避けてアメリカへの逃避までは、それなりに見ていて
飽きもしないが、安定した生活における軋轢には、流石に人物を描くのが苦手な
監督らしく、全くといっていいほど飽きてしまう。
旦那となるアメリカ人は、おじさんキャラとしてはいい味出すのだが、こういったも
のではなんだか可哀想になるボスのコマーシャルの人。
極限では極端な人物像でも、そこに狂気があるからそれなりに納得出来るのだが、
平時では・・・、それに生粋のアメリカンの監督には、他文化に対する造詣もなく、
自分流に解釈するから、言語はすべて英語では、昔の戦争映画のそれと変わらない
如何わしさが付きまとってしまう。
と、ここまでは監督のオリバーストーンの映画としての評価だが、ここに描かれている
女性の半生は、そこがどこであろうと逞しく生きていく姿に、人間の強さはやはり男より
女の方が生活するうえでは逞しいし、雑草の性根が強く息づいている。
だから映画としては今一だが、こういった状況でも追い詰められ自ら命を絶つ男と、嘆
き哀しんでも、それをのり越えていってしまう女の強さという点においては、なるほどなぁ
の感想が漏れる。
まぁ、大体において男は消耗品だが、女は「生む機械」なのだから、そりゃ資産と経費の
違いは歴然としている・・・、ってなところに落ち着く。
といったところで、またのお越しを・・・。
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