七十年代、ベトナム戦争の泥沼化に厭戦気分が蔓延していくアメリカ国内で
ニューシネマと呼ばれる価値観で撮られた映画が、続々公開されていく。
「イージー・ライダー」のヒットを皮切りに、破竹の勢いでこれまでのタブーに
挑んでいった。そんな中、それこそ史実ではアメリカ騎兵隊の残虐さをこれで
もかと描いたのが、「ソルジャー・ブルー」である。
http://www.youtube.com/watch?v=HnVL0PIycVc
「ソルジャー・ブルー」 七十年公開作
騎兵隊というそれまで正義の見方みたいな映画が多かったものを、
史実ではネイティプ・アメリカンを虐殺しまくったというところから、
この映画がその真実に目を向けさせるために、また戦争の愚かさを
自国の負の歴史に正面向いて描いている。
特に後半の二十分間を見続けていると、吐き気を催す凄まじい虐殺の
実態を描いている。
元来、この凶暴性は多分に恨みも根底にあるものだが、好戦的民族と
今現在では見て取れるかもしれない。
伝統的に他国へ出かけて「世界の警察」といいながら、他国民を殺しまくる
のが、一種の正義とでも見ているのか・・・。
今現在も、世界のどこかでアメリカ軍は戦っている。
この映画は、その好戦的な部分を、また臆病な気質をとことん描いている。
皆殺しが後々の禍根を防ぐ最善の策、話し合いなど元から信用しない。
で、哀れネィティブ・アメリカンは、国土のほとんどを騙し取られ、遺留地という
体の良い収容所へと追い込まれていく。ほんの百数十年前である。
この映画の主演は、キャンディス・バーゲン
この後、「ゲテッイング・ストレート、ユー」という、これまた反体制学生の映画に
もでているが、この映画の影響で反政府的立場で発言するようになる。
出演するだけで、いや脚本を読むだけで感化されとなるのだから、観客もすべか
らく影響を受ける結果にはなる。
当時見たこちらも、やはり相当に影響されて政府イコール悪、反対を唱える善と、
簡単な図式を描いていた。
あれから幾年月、映画でも報道でも捏造・偏向を見聞きすると、真実の目は自分
の見識にしか拠り所がないと思うようになり、明らかなものも緻密な捏造も判断出
来るようになってくる。
今の世は、まさに情報戦であり、印象操作真っ盛りの世の中になった。
このところの毒餃子事件も、伝える報道さえ思惑が入り込み、印象操作が公然と
行なわれる。またそれを信じ込む風潮も散見出来る。
広く公平な眼差しを持つ努力は、この映画から学んだが、やはり偏ったものを、そ
れと指摘出来る眼差しは、今後も持っていきたいものである。
といったところで、またのお越しを・・・。