軟な青年の成長物語「バックドラフト」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

音楽の良さが物語を、より以上に盛り上げる。

この「バックドラフト」の旋律も、映画を忘れても音は耳に残る

インパクトがあった。

映画は「消防士」と前の関連から思い出した九十一年公開作である。


back001

http://www.youtube.com/watch?v=qtpV_10ARtc

オープニング・エピソード

父親の職業への憧れと、その過酷な仕事振りは幼い目にどう映るのか

それも父親の殉職という場面で、この映画のインパクトが強烈になる。


http://www.youtube.com/watch?v=QOk8dX4h750

兄弟の運命

兄弟で父親と同じ職業につき、火災現場へとそこで再び父親と同じ

悲劇が繰り返される。


http://www.youtube.com/watch?v=HFiV191lBD8

失意の後、再び歩き出す・・・。

軟な精神が悲劇や惨事で鍛えられ、一人歩きを後押しをする。

すると自然に後輩への指導も出来てくる・・・。


この映画は、放火という犯罪捜査も含めたサスペンス仕立てに

ストーリーが展開していくが、メインは自分に自信がもてない弟の

成長物語、ただこの成長物語は父、兄の死の代償からだから、

なんとも「消防士」の過酷さがしみじみ分かる・・・。

にしても火を見ても、怯むことなく果敢に突入する人命救助に賭ける

人々が、それを職業にする人がいる・・・。

幼い子供の憧れの職業となる社会正義は、おかしな論法を駆使する

人々には、どう映るものなのだろう。

「憲法九条」を世界遺産になる珍奇なことを安全な場所で言ってのける

精神と、それとは相容れない不条理だろうが、矛盾だろうが人命救助が

そこに迫っていれば、動かざる得ない職業には、崇高な精神がある。

「口で何をいおうが」その場だけで・・・。

そういえば、こんな格言を思い出した。


「人びとは、危機が身におよばない前は、神と兵士を忘れ、
ひとたび危機に至ると、神と兵士にとりすがる。
危機より救われた直後は、神へも兵士へも、ひとしく感謝
を捧げる。
しかし、やがて神は人びとから忘れられ、兵士は人びとに
うとんぜられるに至る。」
フランシス・クワールズ(イギリスの詩人、1592-1644   」


これを兵士から消防士に変えても、言葉は通じる。

また兵士であっても、いささかも「平和」を脅かすものでない。

世界平和という壮大かつ能天気な論を放つ人への皮肉ととれば

近づく日時、あの阪神淡路の震災時の「人命を優先せず、イデオ

ロギーが救助を遅らせた」の教訓を能天気に浴びせてやりたい。

いさ゜という時、人はどう動けるかで評価が決まる。

鶴田浩二の「男たちの旅路」の警備員の真摯の態度が、満遍なく

行き渡る世の中が、「平和な世界」により近づける早道だ。


             といったところで、またのお越しを・・・。