パニック映画の走り・・・「大空港」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

不特定多数の利用する場所で、突然起こる惨事に対処する

人々の思惑と果敢な精神力が、緊迫した場面に彩りを添え

市井の人がヒーローとなる、アメリカらしい映画・・・。




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http://www.youtube.com/watch?v=QNvFuev5Qgs&feature=related

七十年公開作

バート・ランカスター、ディン・マーチン他、オールスター・キャスト

でのパニック映画だが、この一作目はシナリオもしっかりしていて

群像劇的進行に重きをおいている。

ただ飛行場という不特定多数の集まる場所での緊迫感は、その広さも

手伝って、狭い空間ほど強烈ではない。

それでもこの映画、キャラクターがしっかりしていて大惨事に対しての

警戒感を見ている人へ、警鐘を鳴らす役目も果たしていた。


http://www.youtube.com/watch?v=nnPUBaM8ZLs

七十五年公開作

直接的なシリーズものとはいいがたいが、前作のヒットに映画会社が

同じ飛行機のパニックとして考え出したのが、今度はジャンボ・ジェット

の操縦席が破壊され、操縦士がいない状況のパニックでの奮闘という

コンセプトに変えて公開したもの。

こちらは飛行場でなく、飛行機機内でのパニックに限定されているから

より狭さも手伝って、観客に手に汗握らせる。

予算的に飛行機機内のみだから、そこは出演料に回せるからか、アドバ

イスを送る人間にチャールトン・ヘストンを持ってきているが史実劇が似合

う人物の演技は、どこか違った人の方が・・・。

もっともパニックに陥った飛行機内の操縦をするアテンダント役のカレン・

プラックの好演が光り、パニックに陥った時の感情の起伏を巧く表現して

より緊迫感を盛り上げていた。

http://www.youtube.com/watch?v=TMCXr_H5qc0&feature=related

七十七年公開作

主演にジャック・レモンをあて、墜落からの生還を力強く描いている。

で、ここでのレモンは、初老の男を好演していて、凛とした力強さが

パニックに陥った時には、こういったリーダー・シップは大切だと、思い知ら

される。

にしても、全く別の面を見せられて、それまでのレモンに持っていた弱弱しい

イメージが一変した映画であった。というより演技巧者を思い知った・・・。

この後、七十九年に「エアポート八十」というのが作られたが、アラン・ドロン

主役にもかかわらず、散漫な緊迫感のない、ありえねぇ設定に呆れたものな

ので省略・・・。


パニック映画において、その役者なりの力強さや迷い等、鮮やかな演技には

大惨事のその瞬間、頼もしいリーダー像がダブるものである。

いつ起こるか分からない災害時、その時、人間の魅力が発揮されるか、それと

も批難される類いの・・・。

こういった映画を見るたび、その時の行動はどうだろうと、考えさせられる。


                      といったところで、またのお越しを・・・。