何処かにあった物語「アルマゲドン」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

九十八年公開の「アルマゲドン」は、世紀末を控えて地球の危機という

ナイスなストーリーで、それなりに評判を呼んだ。

が、あれっ、これなんか似ている・・・。「以前あったような、なかったか・・」

なんて感想も起こった・・・。

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http://www.youtube.com/watch?v=iq6q2BrTino

九十八年公開「アルマゲドン」

主題歌もヒットした地球を救う、一人の男の「特攻」と

父娘の交流というセンチなお話を、世紀末を控えた年に

公開するものだから、タイミング的に良かったのだが、

上げ連ねれば「オイオイ」な展開は随所に散見出来る

とってもチープな科学検証がなされている。

隕石が地球に近づくのを、航空宇宙局も天文台も早期に

発見出来ないで、結局は穴掘り職人に依頼してって、物凄く

ローテクに頼ったり、隕石は小つぶとなってどんどん飛来し

て来て、世界中を破壊しまくるがアメリカだけでことを納め、

解決へもアメリカだけで行うという、地域限定で地球の危機を

救うという壮大なファンタジーなのだが、似たようなお話が二十

年前の日本の映画にあった。というかパク・・・・。


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http://www.youtube.com/watch?v=HzTh_Z-AsDE&feature=related

七十七年公開作「惑星大戦争」

日米宇宙映画において、特撮の技術で米国に遅れをとった日本の

いや東宝の「宇宙もの」の最後に近い作品。

金星人との壮絶な戦い、「海底軍艦」を再び使いたくて、海でなく宇宙

へふっ飛ばしてしまった。プロデューサーの思いつきと半ば自棄気味

なストーリーなのだが、父と娘、そしてその恋人という関係に、ドリルで

穴を掘りが、「轟天」というスーパー潜水艦が大活躍で、先端にドリルが

装着されている。

人工衛星のやられ方も、何より惑星の表面の細工がそっくりなのは偶然

か、はたまた・・・。


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こちら「妖星ゴラス」六十二年公開の地球へ惑星衝突

のお話で、こちらはなんと南極を推進力にして、地球を

移動させてしまおうとする、トンデモ・ファンタジーで、ここでも

あの「轟天」が活躍と、海、空、宇宙ともう無敵の潜水艦ぶりを

如何なく発揮って、そしてお得意の怪獣も登場とメニューは、正

月のおせち並にてんこ盛り、なにより凄いのは妖星は自らの意思

を持つかのように、自分から地球軌道を外れていく・・・。

めでたしめでたしと相成る。


夢のあるファンタジー映画としては、日本のストーリーは何より秀で

ている。そこら辺をバクるのは、異文化圏への憧憬も含まれ・・・。

何より「特攻」という自己犠牲を強いられる展開に、最後は持っていく

のは、そう出来ない人々のそこはかない願望の現れ。

これと似たものででも「特攻親父」が出てくるアメリカ映画があった。

何より美しい「自己犠牲」が体現するものは、人々を感動さすものだが

日本にはどこか逝った人々がいて先の大戦での「特攻」を卑しめたい

心情があるのか「犬死」とか言う輩もいるんだなぁ、嘆かわしいというより

哀れな人々ってな、言葉が浮かんでくる・・・。

「アルマゲドン」も一切のトンデモに目をつぶれば、最後の交信は愛情溢

れる父と娘の涙涙のとてもいいシーンになった・・・。

(カメラはどこにあったのか?、なんて疑問はなしで・・・)


                     てなところで、またのお越しを・・・。