クルーゾ警部の巻き起こす騒動に、笑い転げる観客。
推理は一向に当らず、やることなすことちぐはぐに、周囲とかみ合わない
今で言う「KY」の、それでいてほのぼのとした人柄から、笑いながらも愛着
を持ってしまう、ピーター・セラーズのすっとぼけた魅力全開の映画が「ピン
ク・パンサー」である。
http://www.youtube.com/watch?v=37WjDt--pHY
六十四年公開の第一作
「ピンクの豹」 元々は犯罪映画で、「ファントム」が「ピンクのダイヤ」
を盗むお話であったのが、セラーズ演じるクルーゾー警部のトボケた演技に
観客が魅了されていったので、急遽主役をクルーゾーにして作った一作目
が「暗闇でドッキリ」で、エルケ・ソマーが相手役。
http://www.youtube.com/watch?v=PWvwQaZ9M5g
七十四年公開の第二作
http://www.youtube.com/watch?v=E5yCLI2UMPE&mode=related&search =
七十六年公開の第三作
http://www.youtube.com/watch?v=QFK94lpjBAg&mode=related&search =
七十八年公開の第四作
http://www.youtube.com/watch?v=1AgmvOhGJt0
八十二年公開の、総集編的映画。
で、ピーター・セラーズが亡くなり、リメイク版ではスティーブ・マーチンがクル
ーゾー警部を演じているのだが・・。
警察物としては、愛すべき変人の警部で、コメディの壷は押さえた出来上がり
には、シリーズ化に難色を示したピーターも折れた方で、十年のブランクの後
三作が作られた。
俳優にとってはイメージの固定は、避けたいものである。
完全に定着すれば、ピーターがクルーゾーか、クルーゾーがピーターかと空
想と現実がごちゃ混ぜになるし、何よりキャラクターの一人歩きは「男はつら
いよ」の寅さんになってしまって、脇役としてなら他の映画にも出られるが、主
役となると、観客はキャラクターの違いに違和感が募ってしまう。
コメディのヒットは喜ぶべきか、はたまた・・・。
もっとも、人の生涯においてはキャラクターは固定だから、その心配もなく、
また二面性があたら嫌われる・・。
にしてもこの音楽、何とも映画に合ってしまうし、またすっとぼけた場面では、
度々使われ、映画より認知されてしまっている。
ヘンリー・マンシーニってのも、何とも天才的作曲家だ。
疲れた時の笑いは、ストレス発散にいい、そんな時、クルーゾーのはちゃめち
ゃぶりに笑い転げるのは、いい気分転換ではないだろうか。
と、落ちがついたところで・・、またのお越しを・・・。