ゴシック・ホラーの旗手 ハマー・フィルムそのニ | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

ドラキュラが大当たりをして、その続編も作られたが、その前にハマーの作品

で「フランケンシュタイン」物が最初のヒット作である。

で、この「フランケンシュタイン博士」の作り出した人造人間が、なぜか忌み嫌

われ「怪物」の代名詞になっていくのは、原作者には辛いものが・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=qTaj3rLPd68&mode=related&search =

ピーター・カッシングの「フランケンシュタイン博士」の人造人間創造と

「不老不死」願望が、どういうわけか凶暴で戦慄する怪物となっていく。

というよりも、その顔立ちの異様さと機械じみた動きが、一般人に受け

入れられず偏見のもと、一方的に避けてしまう差別を生む。

ここらに異形であるためだけで、受け入れない人間の狭さを恐怖へ

転換させる術が出来上がっている。


http://www.youtube.com/watch?v=nzelDvRug9w

「ミイラの幽霊」ピーター・カッシング 


http://www.youtube.com/watch?v=bhupWtQOWLY&mode=related&search =

「吸血狼男」オリバー・リード


http://www.youtube.com/watch?v=UMEknf8xRPc&mode=related&search =

「妖女ゴーゴン」ピーター・カッシング


http://www.youtube.com/watch?v=cv5qahSs93w

「ドクター・テラーの恐怖」ピーター・カッシング


http://www.youtube.com/watch?v=SdwoLyzR2ww

ホラー以外の作品、コメディーではないらしいが、この宇宙人はとても

笑える代物だ。


世の中にはB級作品と呼ばれる、今一ピントがずれた映画があるが、この

ハマー作品も、一つ間違えばそちらに分類されるものも多々あるが、ホラー

作品で財をなし、今ではメジャーとなったユニバーサル映画と違って、監督

出演者、脚本に偏りがあってバラエティー豊かな作品群を作り上げられな

かったし、ホラーの概念を自分達で規制して作風が陳腐となり、七十年代に

は観客に飽きられてヒット作がなくなってしまった。

あだ花的映画ブームでは、イタリアのマカロニ・ウェスタンがあるがあちらは

飽きられるのに十年と、三十年続いたハマーとは違って乱造がたたり極端に

衰退していった。

もっとも今ではハマー作品と知っている人も少ないし、特異なジャンルのホラ

ーも残酷・ゲテ物・エログロ・ナンセンスとどんどん作品の気品は落ちていった。

だけにカルト的人気は健在で、ほとんどの作品が記録映像媒体として、販売さ

れている。

今では笑える恐怖だが、音楽の作り方もストーリーの面白さもちらっと光る輝き

を持っている。

「温故知新」でホラーとは、悲しみの裏返しの怒りや憎悪こそ、あるいはエクタシ

ィーは血の交わり・・・。       「ドラキュラ」に毒されたかやめよう。


            といったところでこの辺で、またのお越しを・・・。