悲恋の物語は相手が死んだ時点で終結なはずが、オカルトチックな「幽霊」
となった男の彷徨う魂に、恋愛相手を失った女性の胸の痛みと、断ち切れぬ
想いに、女性の涙がピタリとくる。九十年公開のハート・ウォーミングな映画である。
もっともここでも音楽の力が遺憾なく発揮されていて、「アンチェインド・メロディ」
の旋律が、二人の恋愛を至高の一時に高めている。
http://jp.youtube.com/watch?v=zgaZjXGbOxU&mode=related&search =
「ある愛の詩」の公開から二十年後、こちらは幸せの絶頂で暴漢に襲われ、死亡
してしまう恋人の相手を思う気持ちと、「君を守りたい」が死してその魂の彷徨させ、
死者との生者の交流が図れてしまう奇跡に、違和感よりも恋愛成就を喜ぶ心境に
観客をさせる。よくよく考えないでも「ありえねぇ」話なのだが、そこは涙が似合い、
この時は可憐という印象のデミー・ムーアの魅力に、ウーピー・ゴールドバークが
絡むと、一気に空気が和む。ウーピーの持つ微笑ましいキャラクターが、この映
画の陳腐なストーリーをファンタジィーな恋愛に仕立て上げた。
この配役でなかったら、印象が違ったろうと思う。
http://jp.youtube.com/watch?v=mw_nebmThLY&NR=1
このランチャーズ・ブラザースの歌う「アンチェインド・メロディ」は六十五年のヒット
ポップスで、当時イギリスから吹き荒れ始めた「ビートルズ」ナンバーに押されて、
ビルボートでは一位を取れなかった。
しかし単に歌声だけでなく、視覚的効果が加味されると、すこぶる曲が映える。
それは「プリティ・ウーマン」にも当てはまる。
あちらも六十四年のロイ・オービソンのヒット曲を劇中に使い、映画もヒットした。
にしてもこの恋愛ファタジィーは、音楽といい脇役の輝きといい、一時夢を見させ
てくれる映画だ。
だけにこの後は、死してなおって類似の映画も製作された。
「いい夢、見ろよ」的、映画てのも、たまには見るものだ。
そんなところで・・、またのお越しを・・・。