「愛とは決して後悔しないこと」の名セリフで、日本でもヒットした七十年公開のアメリカの純愛映画
真っ白な風景に取り残された男の回想で始まるシーンから、この映画の性質が悟れる。
「思い出は美しすぎて」を映像にして、「帰らざる日々」の至高の気高さに、「何も言えなくて・・」
ただ見入る。
そしてフランシス・レイの音楽が、二人の悲恋をより際立たせ、感銘に楔のように割り込んでくる。
http://jp.youtube.com/watch?v=_kNItHsf9Q4
物語の根底にあるのは「シンデレラ」で、裕福な男と薄幸だが健気で働き者の女
そして育ちの違いからの周囲の反対を押し切って結婚、貧しいなりに幸せを感じて
いる最中、彼女に病魔が襲い掛かる。
「白血病」・・・、これって後年日本でも大評判を博した「世界の中心で愛を叫ぶ」で
恋愛に於いて、相手の死が冒頭で示したように「思い出は美しすぎて」色褪せること
なく、心に刻み込まれる。で映画の冒頭シーンに象徴される印象的白の美しさ・・・。
これの公開が七十年というのも、ある意味世相の反映である。
泥沼のベトナム戦争の後遺症、厭戦気分が充満するアメリカにおいて、相手を信じ
切り運命を共にしようとする若者の穢れなき「愛情」には、誰もがあこがれる。
http://jp.youtube.com/watch?v=X8cYSn3u4cc&mode=related&search =
社会はそれ程甘くないのだが、甘くないのを実感する人々にとって、それに果敢に挑
む人に、賞賛を贈りたい気持ちも持ち合わせている。
恋愛の成就を願っていながら、途中での挫折には「失恋」でない見えない力に抗し切
れない儚さが、琴線を揺さぶる。
悲恋の物語ってのは、突き詰めれば悲劇が「思い出の美しさ」を引きずるからかも・・。
一時、涙しいつまでも「若さ」が保たれる保障のない時の経過に、抗する心は・・・。
普遍な物語として、心の交流において「恋愛」は輝きを放ち続ける。
てなことで、またのお越しを・・・。