皮肉なことに三十二本の中で一番ヒットした映画「エルビス・オン・ステージ」 | 流浪の民の囁き

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表題のようにエルビスは生涯、三十二本の映画に出演していた。

それもすべて主役であった。が、純粋な映画といえば数えるほど

しかなく、どちらかといえば日本でいう歌謡映画、要するに歌の

ヒットに結びつけた設定の映画ばかりだった。

そんな中、不遇の時からステージに戻ったエルビスのドキュメン

タリーが撮られ、それが一本の映画になった。

そしてそれが最大のヒット映画となるのだから・・・。


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http://www.youtube.com/watch?v=XyeFH8oieZM

「スィート・キャロライン」ニール・ダイヤモンド作の曲だが、

エルビスも負けずメローな仕上がり具合で、聴き心地が良い。


http://www.youtube.com/watch?v=QIJ6NQF6Xu0&mode=related&search =

「ポーク・サラダ・アニー」

ステージのオン・オフを捉えたこの映画は、本番前の緊張感も

よく伝え、ロカビリーからエンターティナーとして類まれな資質を

開花させた証みたいで、音楽ドキュメントだというのに、飽きることなく

スクリーンを見続けた。

もっとも知人に熱烈なファンがいて、それの付き合いで見ただけだったの

だが、見て損のない映画である。

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http://www.youtube.com/watch?v=FImwVKsBfEM&mode=related&search =

「サスピシャス・マインド」


http://www.youtube.com/watch?v=aFJqnhDM3OQ&mode=related&search =

「好きにならずにはいられない」

前作の「オン・ステージ」のヒットを得て製作された二番煎じの映画。

こちらワイド・スクリーンを使い、三分割やらステージのエルビスの

魅力を伝えようと、とても策に溺れた出来で、見ていて退屈になって

しまった。何しろ知人が前売り券を購入してまで見た映画であったが、

帰り道、「オン・ステージ」には、遠く及ばない出来の映画と、悔やんでいた。

何しろ緊迫感もない、わざとらしいジェスチャー交じりに溜息が出た。

後のない必死さがまるでなく、エンターティナーとしての思いは、前作で

使い果たしたかのようだ。

http://www.youtube.com/watch?v=Lr0Myw28uxc&mode=related&search =

映画「ラブ・ミー・テンダー」のラスト・シーン

映画として最初のやつで、ストーリーも良く演技も良かったのを、製作者側の

思惑も手伝って、ただの歌謡映画みたいに挿入歌を入れてしまい、もう一つ

ぱっとしたものに出来なかったのは、残念である。

以後も歌手を意識しすぎた「アイドル」としての作品ばかりである。

晩年の円熟した歌いまわしから、エンターティナーとして活躍が出来ただろう

に、七十七年に没したのは残念であるし、アイドルを脱しての演技は全く違った

エルビスを見せてくれたのではないだろうか・・・。

と、言ったところで・・・。

                    

                         ではこの辺で、またのお越しを・・・。