サザンオールスターズの最新フルアルバム『THANK YOU SO MUCH』の感想を書く企画は今回でラストです。
11曲目は「悲しみはブギの彼方に」です。サザンがデビュー前に作った曲が、半世紀近く経って広く世に出ました。確かにデビューアルバム『熱い胸さわぎ』に収録されていても違和感がない楽曲です。本作はサザンを長く愛してきたファンへのボーナストラックであり、「THANK YOU SO MUCH」の思いが込められています。
12曲目は「ミツコとカンジ」です。前曲の「悲しみはブギの彼方に」と地続きの配置です。昭和のサザンと令和のサザンを比較して聴くことができます。タイトルは倍賞美津子と猪木寛至(アントニオ猪木)のことです。「ゴング」「チョップ」「ベルト」という歌詞が並ぶ本作を作詞したのは、猪木ファンの桑田です。
13曲目は「神様からの贈り物」です。NHKから放送100年関連番組テーマソングのオファーを受けて作られた、軽快なテンポの楽曲です。夢の世界だったテレビ界への思いが込められれています。当時のテレビ界で強大な勢力を誇っていた渡辺プロダクション出身の大里洋吉が、サザンの所属事務所であるアミューズの創業者であるという縁が本作の背景にありそうな気がします。
14曲目は「Relay~杜の詩」です。神宮外苑再開発に対する批判メッセージのように解される歌詞が話題になった楽曲です。再開発に反対していた坂本龍一との関係を問われた桑田ですが、直接会ったことはなく、マスコミ報道によって知ったレベルだそうです。特に政治的・社会的なメッセージを主張したいわけではなく、サザンのレコーディングスタジオであるビクタースタジオ周辺が変わりゆくことへの感慨を込めた『東京VICTORY』のようなものでしょう。
以上がアルバム全曲の感想です。また聴けば新しい感想が生まれるかもしれないので、何度でも聴いていきたいです。
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