どうも。自民党総裁選候補者の推薦人絡みで、解消されたはずの派閥がゾンビの如く復活するでしょう。自らを正すことができない政党に国政を正すことはできません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『トラベラー』です。
小学校に通う10歳の少年ガッセムはサッカーに夢中で、宿題も授業もさぼりがちとなり先生や母親に叱られてばかりいた。首都テヘランで開催される大事な試合をどうしても観に行きたい彼は、交通費とチケット代を手に入れるため、家の金を盗んだり友人たちを騙したりと、あの手この手でお金を稼ごうとするが……(映画.comより引用)。1974年製作のイラン映画で、1995年日本公開作品。監督はアッバス・キアロスタミで、出演はハッサン・ダラビ、マスウード・ザンドベグレー。
アッバス・キアロスタミ監督の長編デビュー作です。1974年製作であるにもかかわらず、モノクロ映像であるのはアート性が目的ではなく、単に低予算映画だからだと推理します。
主人公の少年役を演じるハッサン・ダラビに可愛げがありません。おそらく素人のダラビを素材そのままに演技指導したからでしょう。その可愛げのなさは『菊次郎の夏』で正男役を演じた関口雄介に近いものがあります。
その可愛げのない少年は、己の欲望を充たすためならば窃盗も詐欺も辞さない不道徳ぶりを見せます。「子供は純粋な天使」だと信じる良識ある方々にとっては受け入れ難い姿です。目標達成のために突き進むのは純粋であると言えますけど。
物語の結末を簡単に言えば、「悪銭身に付かず」という教訓に尽きます。その結末はハリウッド映画的なハッピーエンドに慣れた方々にとって後味の悪いものなのです。
★★★☆☆(2024年7月13日(土)インターネット配信動画で鑑賞)
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