【映画評】ドイツ零年 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。旧世代がした苦労を新世代がしなくなれば、それは社会の進歩であり、自分がした苦労を若者に強制する年寄りは社会の敵です。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ドイツ零年』です。

 

第三帝国滅亡後、廃墟となったベルリンを徘徊する13歳の少年エドムンドは、間借りの部屋に病身の父と、身を売って生計を立てる姉と共に暮らし、自分もいくらかの足しにと小銭稼ぎをしていた。軍隊にいた兄が帰還するが、ナチ党員であったことを表沙汰にするのを恐れ、閉じこもってばかりいる。ある日、小学校時代の恩師に会うが、彼は旧軍人の家に寄生虫のように住みつき、未だナチの弱肉強食の理論を振りかざし、エドムンドに父親の毒殺を示唆する。少年はそれを実行してしまうが……(allcinemaより引用)。1948年製作のイタリア映画で、1952年日本公開作品。監督はロベルト・ロッセリーニで、出演はエドムンド・メシュケ、エルンスト・ピットシャウ、インゲトラウト・ヒンツ、フランツ・クリューゲル、エーリッヒ・ギュネ。

 

敗戦後間もないドイツを舞台にしていますが、イタリア映画です。実際にベルリンでロケ撮影しており、作り物のセットではない荒廃した街並みは戦禍の酷さを伝え、観る者の心を荒ませます。

 

出演者はドイツ人の素人俳優を起用しています。プロ俳優としての華がなく、他作品で着けられた色もない俳優たちの演技はドキュメンタリー的な生々しさを表現しています。

 

戦争の傷跡と残り香がエドムンド少年を悲劇的な結末へと追い込みます。戦中と戦後の違いはありますが、戦争によって追い込まれた少年の悲劇という点で『火垂るの墓』に近いものがあります。

 

未来ある子供たちを絶望させる戦争の無意味さと、その戦争をしたがる大人たちの愚かさを本作から知るのです。

 

★★★☆☆(2024年5月28日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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