【映画評】性賊 セックスジャック | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。北青鵬の悪行は引退相当だとしても、このまま宮城野部屋閉鎖&宮城野親方追放まで行ったら、モンゴル出身者(白鵬)が努力して築いた「鳥取城北ルート」を日本人(日本相撲協会)が難癖つけて強奪する目的であるのが事の真相になりはしませんか。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『性賊 セックスジャック』です。

 

潜伏生活中の学生運動家と労働者階級出身の青年が同居するアパートの外では、テロ事件が続発していた。1970年公開作品。監督は若松孝二で、出演は秋山未知汚、小水一男、笹原茂朱、香取環、瓜生良介、寺島幹夫、丹古母鬼馬二。

 

若松孝二監督によるピンク映画の皮を被ったアナーキー革命煽動映画です。60年代末期の政治的・社会的情勢が作品に反映されています。

 

冒頭のデモ集会シーンは本物の記録映像を使用しています。劇映画パートとの繋がりに違和感がなく、現実と虚構が地続きになります。

 

学生運動家たちが性交を「バラ色の連帯」と称して淫欲に耽るのに対し、謎多き青年の鈴木(秋山未知汚)は「天誅」と称した反体制テロを実行し続けます。これは日本国内の左翼勢力に対する強烈な批判です。

 

革命を実行する覚悟も勇気もない頭でっかちの偽インテリではなく、彼らが見下しているプロレタリアートが単独テロによって革命を実行します。これは理屈よりも行動することを重視する若松流のリアリズムです。

 

本作公開後も若松は映画を武器にして体制と闘争し続けました。1971年にプロパガンダ映画『赤軍派 PFLP 世界戦争宣言』撮影のため、本作の脚本を書いた足立正生と共にパレスチナに訪れました。そして1974年に足立は日本赤軍に合流しました。映画という虚構で示した思想を行動によって体現したのです。

 

足立は2000年に日本に強制送還され、若松は2012年に亡くなりました。今も映画を武器にして闘争する足立にとっても、亡き若松にとってもインターネット空間で吠えるだけの奴らは左翼も右翼も唾棄すべき人間でしかないのです。

 

★★★☆☆(2024年1月19日(金)DVD鑑賞)

 

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)