どうも。消費税増税派や大阪万博賛成派が「未来の子供たちのために……」みたいなことを言って正当化しているのは、本心では子供のことなど何とも思わず、単なる道具として利用し、私利私欲を実現しようとする偽善者としか思えません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ゆけゆけ二度目の処女』です。
とあるマンションの屋上で、ひとりの少女が不良たちにレイプされている。その近くで、真面目そうな青年が何もできずにただ見守っていた。やがて少女は青年に、自分がレイプされるのはこれで2度目だと打ち明ける。そして、自分を殺してくれるよう青年に頼むのだが……(映画.comより引用)。1969年公開作品。監督は若松孝二で、出演は小桜ミミ、善兵世志男、青木幽児、風雅超邪丸、秋山未知汚。
若松孝二監督のピンク映画です。ピンク映画でありながら、マンション内という限定された空間と詩的な台詞によって舞台演劇を観ているような感覚になります。
本作の音楽がかなり良いです(担当は迷宮世界)。オシャレなカフェではなく、場末の喫茶店でゆったりと聴きたい音楽です。
二度目のレイプで汚された少女は、青年に自分を殺してくれるように頼みます。しかし、青年は自分を汚した豚のような大人たちを既に皆殺しにしていました。童貞の青年は自分の内部にある衝動をセックスではなく、殺人によって処理するしか術を知らなかったのです。それは青年が純粋だからであり、少女をレイプした不良たちが大人の世界に片足を突っ込んで不純であるのとは異なります。
青年に感情移入する若松監督は、連合赤軍がリンチ殺人によって世間から非難を浴びる中、「それでも俺は若いやつを信じる」と言って擁護しました。後に監督した『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』では、連合赤軍を異常なテロリスト集団ではなく、未熟ゆえに過ちを犯した若者たちとして捉えています。
不純な大人より純粋な若者を信じる姿勢を貫き通した若松監督は、大人社会に対する真の抵抗者なのです。
★★★☆☆(2023年11月5日(日)インターネット配信動画で鑑賞)
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