【映画評】鞭と緊縛 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。山に食べ物が無くて、人里に下りて来たクマを山に帰せば、空腹のあまりクマは共食いを始めます。親グマが子グマを襲って食べる地獄絵図です。感情的で短絡的な動物愛護精神が、人間による駆除より残酷な結果をもたらすのです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『鞭と緊縛』です。

 

大学の医学部を目指す浪人生と同棲する風俗嬢が異常な変態生活に溺れていく。1979年公開作品。監督は高橋伴明で、出演は岡尚美、宮田諭、日野繭子、北沢万里子、浜崎麻耶、今泉洋、下元史朗。

 

現在は一般映画を撮っている高橋伴明監督のピンク映画です。題名は「むちときんばく」ではなく、「むちとしばり」と読みます。本気を「まじ」と読み、強敵を「とも」と読み、緊縛を「しばり」と読みます。

 

主人公は見た目が冴えない浪人生でありながら、二人の女性と同時に交際します。経済的にも容姿的にも優れていない浪人生がモテる理由は分かりません。

 

浪人生がノートに「数学できんで何が悪い!」と書き殴るのは『高校大パニック』です。浪人生がピンク映画館に入り浸るのは『タクシードライバー』です。浪人生が風俗嬢が縄で縛るのは団鬼六のSM小説です。風俗嬢が浪人生の男性器を切断するのは阿部定事件です。このように様々な要素が詰め込まれていますが、それらが未整理のままで物語は進行していきます。

 

唐突なバッドエンドまでストーリーは雑ですが、濡れ場シーンは丁寧に撮られているので、映画というよりアダルトビデオに近いです。高橋監督作品にしては残念な出来です。

 

★★☆☆☆(2023年10月28日(土)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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