秋田・台湾間の定期チャーター便運航停止について思う。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

秋田魁新報に『台湾チャーター便遠東航空、運航停止 経営不振で13日から』という記事がありました。台湾の遠東航空が経営不振で全ての運行を停止することにより、秋田・台湾間の定期チャーター便も運航停止になるのです。台湾からの観光客によるインバウンド効果を期待していた県内の観光業者にとって、少なからず痛手となります。

 

この件についてのニュースを見れば、「(佐竹敬久秋田県)知事のトップセールスで再開して欲しい」という県民の声を伝えていました。トップセールス、すなわち佐竹知事自らが交渉して再開に至ることを望んでいるのでしょう。しかし、現実にはトップセールスで物事が決まることはありません。知事自らが交渉する前に、事務方である県職員が細かいところまで話をつけておきます。知事が出てきて、やり取りするのは形式的・儀礼的なものです。

 

安倍晋三首相が外遊の際に行うトップセールスも同じことです。事前に経済産業省など所管官庁の官僚が道筋をつけておき、首相は筋書きどおりに演じているだけです。当て馬を利用する競走馬の種付け作業にも似ています。首相も知事も所詮神輿です。神輿は誰かに担がれて動くものです。神輿が一人で歩けるわけがありません

 

そうであれば、遠東航空との間で定期チャーター便開設までの手続きを進めてきたのは県職員であり、彼らに調査不足や見通しの甘さは無かったのか疑問が生じます。国際便を運航する航空会社が経営不振になるのは、昨日今日で起こることではありません。数ヶ月、いや1年以上前から兆候は見られたかもしれません。それに気付かず、慎重に手続きを進めていなかったとすれば、県職員に落ち度があるでしょう。

 

手続きの慎重さを欠いたとすれば、4年も運休している秋田・ソウル間の国際定期便に代わって、台湾にシフトしなければならない焦りが原因とも考えられます。寺田典城前知事時代の2001年に開設した、秋田・ソウル間の国際定期便再開の目途が立たず、その減少分を補う外国人観光客を台湾に求めようとしたからです。

 

この「反日」韓国から「親日」台湾への移行が、安倍政権の対韓外交方針に忖度したものではないかという疑いもあります。何しろ今夏の参議院選挙では、県庁前で自民党からの候補者が演説を行った時、知事と県職員幹部は昼休みを過ぎ、勤務時間内になっても聴き続けて応援していたほどの自民党支持者揃いですからね。韓国はダメで台湾はOKという偏向が台湾シフトへの執着を生み、結果として県民に経済的打撃を与えることになれば、知事も県職員もどこを向いて仕事をしているのかと怒りたくもなります。

 

今回の問題は知事のトップセールスで解決するものではありません(表面的には、そう装って報道するかもしれませんが)。トップセールスで解決という幻想を抱く者は、企業物の映画やテレビドラマの観過ぎか、小説や漫画の読み過ぎです。県組織の「体質改善」にまで切り込まなければ、今後のことも踏まえた本当の問題解決とはならないでしょう。

 

 

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