第十五課 鮭、鮎、鰻。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

明治二十年発行の『普通讀本四編上』を紹介します。なお、読み易くするため、地の文は平仮名に統一し、文字化けを防ぐため、漢字は所々新字体に改めます。
 
   第十五課 鮭、鮎、鰻。
 
鮭は長さ二三尺にして細鱗を被る。常に河海の間にありて、秋月卵を産するが爲に、遠く河に泝る。肉は赤色にして美味なり、其醃にしたるを鹽引と稱す、卵は大にして紅點あり、味亦佳なり、北海道の名産とす。鮎は年々卵生して、清流の河に泝る、長さ尺に滿たず、肉味頗る美なり。其膓及び卵の醃藏したるものを、うるかといふ、人の賞する所なり。鰻は形長圓にして蛇に似たり。長さ一二尺、鱗は細微にして見え難く、全身極めて粘滑なり。性強健にして、水を離るるも、容易に死することなし。其肉は味美にして滋養の効あり。
 
【私なりの現代語訳】
 
鮭は体長約30~60センチメートルで細かい鱗に覆われています。いつもは川と海の間にいて、秋になると産卵するために、遠くまで川を遡上します。肉は赤色で美味しく、その塩漬けしたものを塩引きと言い、卵は大きく紅い点があり、味はまた良く、北海道の名産となっています。鮎は毎年卵から孵り、清流の川を遡上し、体長約30センチメートル未満で、肉がとても美味しいです。その内臓と卵を塩漬けしたものを、うるかと言い、人々が珍重しています。鰻は形が長円で蛇に似ています。体長は約30~60センチメートルで、鱗は細かすぎて見え難く、全身が極めてぬるぬるしています。生命力が強く、水中から離しても、容易に死ぬことはありません。その肉は美味しくて滋養の効能があります。
 
私の一言】
 
淡水魚二部作の後編です。うるかを教えるのは、まだ早すぎやしないかと思います。漫画『美味しんぼ』の山岡士郎みたいな大人に育てるつもりでしょうか。
 
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