「謝罪すらない」漁業関係者に怒りと悔しさ 米軍機タンク投棄で全面禁漁の小川原湖
米軍三沢基地所属のF16戦闘機が燃料タンクを投棄し、油が流失した小川原湖。発生から一夜明けた21日、問題の影響で全面禁漁となった湖は、本来見られるはずの漁師の姿がなく、静けさが悲しみやむなしさを感じさせた。地元・東北町の漁業関係者の胸中には、禁漁がいつまで続くのか分からないことに対する不安、問題について漁業者に直接報告しない米軍への怒りなど、さまざまな思いが渦巻いていた。
同日午前、小川原湖漁協は緊急の理事会を開き、今後の対応を協議した。
取材に応じた濱田正隆組合長は、米軍から詳細な報告がないことに憤りをあらわにした。「謝罪の一言すら全くない。(組合員の)命が取られる間際までやられたのに」。声を詰まらせ、悔しさをにじませた。
理事会に出席したある漁師も、「どれだけの損害が出るのか」と今後の見通しが立たない状況を嘆いた。
小川原湖の水産物を扱う飲食店や小売店関係者にも不安が広がっている。
町内で“湖の幸”を売りにしたレストランを営む蛯名正直さん(68)は「冷凍した物はあるが、今の状況が長く続けば新鮮な物を提供できなくなる」と語る。湖に漂う油が、間もなく産卵期を迎えるシラウオやワカサギに影響を及ぼす可能性を懸念し、「一番心配なのは風評被害だ」と危機感を募らせた。
同町の「道の駅おがわら湖」では同日、シジミの品薄を伝える紙が販売コーナーに張り出された。運営会社によると、今は「寒シジミ」と呼ばれる身の引き締まった質の良いシジミが店頭に並ぶ時期。連日買い求める来店客は多いが、あと数日分のストックしかないという。
前日の一件を知った上でシジミを買い求めに来た、おいらせ町の無職石田尚さん(79)は「いつでもシジミを買える状況に戻ってほしい」と心配そうに話した。
【ここから私の意見】
食という人間生存の根幹を油で汚し、食に携わり生計を立てている庶民の生活を脅かしておきながら、米軍からは何の謝罪もなく、後始末は災害派遣された自衛隊が行うという有様です。これを国辱と捉え、腹を立てなければ、何に腹を立てればいいのでしょう。
不思議なことに、日頃「愛国者」を自称する連中がこの事件については大人しいのです。沖縄で米軍機が部品を落下させれば、被害者である保育園に嫌がらせの電話を殺到させた彼らが沈黙しているのです。あの時の情熱と行動力はどこへ行ったのでしょう。同じことをやってみなさいよ、青森に。
今回のような惨事を繰り返さないためには、日米安全保障条約と日米地位協定の改定が必要で、それから目を背けて日本の自主独立を気取っても片腹痛い戯言でしかありません。憲法改正など安倍晋三と彼を支える右派市民団体「日本会議」の野望を満たすだけで、米国が圧倒的に優位な現状を変えることはありません。
同胞である日本人が犠牲になっているにもかかわらず、強国の顔色をうかがうかのように沈黙を続け、非難の矛先をあらぬ方向に向ける自称愛国者こそ「上っ面だけワイルドを気取って、実は偉い人の尻をペロペロ舐めるようなバター犬(忖度犬?)」です。恥を知れ!
米軍の被害に遭った青森県の隣にある秋田県に生まれて住む者として、東北人として、日本人として、人間として強くそう思うのです。
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