【映画評】柳生連也斎 秘伝月影抄 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

イメージ 1
 
尾州藩の家老に推挙され、宮本武蔵は藩主の御前で見事な剣技を披露した。だが指南役である柳生兵庫之介の一言で仕官のチャンスを奪われてしまう。武蔵は弟子の鈴木綱四郎に不敗の剣理「見切りの秘太刀」を授け名古屋を去った。綱四郎は兵庫之助とその息子の兵介に激しい敵意を抱くようになる。もともと綱四郎と兵介は幼なじみだったのだ。綱四郎は若殿の師範役に決まりかけていたが、若殿の意向によりその役を兵介に譲ることになり…(Yahoo!映画より引用)。1956年公開作品。監督は田坂勝彦で、出演は市川雷蔵、勝新太郎、林成年、夏目俊二、黒川弥太郎、立花宮子、角梨枝子。
 
柳生兵介と鈴木綱四郎の天白ヶ原の決闘までを描いた時代劇です。兵介役を市川雷蔵が、綱四郎役を勝新太郎が演じています。雷蔵は「眠狂四郎」シリーズを、勝新は「座頭市」シリーズを始めるずっと前なので、二人とも若々しいです。
 
特に勝新は、(上掲ポスター画像の右上にあるように)まだ前髪を切っていない若侍役なので、後のワイルドで豪快なイメージから程遠く、勝新が画面に映る度に違和感たっぷりで話が頭に入って来ません。困ったものです。
 
兵介と綱四郎の対決は、柳生一族と宮本武蔵の代理戦争みたいなものです。小説、映画やテレビドラマにおいて、柳生一族と武蔵は同時代の剣豪同士として剣を交えることがあり、『魔界転生』では柳生十兵衛と武蔵が対決します。しかし、歴史的資料によれば、柳生一族と武蔵に接点はなく、あくまで想像に基づくエンターテインメントとして楽しむべきものです。
 
戦国時代の武将たち又は幕末時代の志士たちが、同時代に生きていたから接点があったというのは、歴史的資料に基づかなければ、あくまで“可能性”の問題であって、娯楽の範疇に止めるべきでしょう。しかし、最近の漫画、アニメ、ゲーム、ライトノベルにどっぷりハマっている世代は、その分別ができているか多少の不安があります。歴史の改竄や捏造は、意外なところから始まるのかもしれません。
 
★★☆☆☆(2018年2月8日(木)DVD鑑賞)
 
「ハンターチャンス」が決め台詞の柳生博は、柳生一族の末裔です。
イベントバナー

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)