【映画評】ザ・レイド | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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麻薬王が支配し、ギャングや殺し屋、ドラッグの売人の巣窟となっている高層ビルに、ジャカルタ警察のSWATチームが強制捜査に入る。しかし作戦の情報は筒抜けになっており、20人の隊員は無数のギャングを相手に激しい戦いを強いられ、ひとりまたひとりと命を落としていく(映画.comより引用)。2012年日本公開作品。監督はギャレス・エヴァンスで、出演はイコ・ウワイス、ジョー・タスリム、ドニー・アラムシャ、ヤヤン・ルヒアン、レイ・サヘタピー。
 
インドネシア製のバイオレンス・アクション映画です。これまでインドネシア映画は、お目にかかったことがありません。ネットの映画批評サイトなどで本作の名前がよく挙がるので、気になって観てみたら、衝撃的な傑作でした。
 
内容を大別すれば、前半は銃撃戦で、後半は肉弾戦です。サービス満点ですね。『殺し屋1』のヤクザマンションより物騒極まりない高層ビルの中で、戦争映画並みに銃弾が飛び交い、警官もギャングも殺されまくります。市街地なのに、もはや死体ゴロゴロの戦場状態です。
 
極道大戦争』にも出演しているヤヤン・ルヒアンが登場する、後半のアクションシーンは、タイ映画『マッハ!』のトニー・ジャー以来のアクション革命になっています。世界中の軍隊で採用されている格闘術「シラット」をベースにしているので、技や動きが「痛めつける」ではなく、無駄なく「仕留める」感じになっています。それでいて地味さはなく、スピーディーな動きに美しさがあります。私の拙い言葉では、この衝撃は伝えられません。「観ろ! 考えるな! 感じろ!」とだけ言いたい気持ちです。
 
おそらく日本映画界では作れない作品でしょう。銃撃戦も肉弾戦も暴力描写がハードなので、R指定は避けられず、劇場公開規模が小さくなります。それだとスポンサーが集まらず、製作費をかけられないので、特に銃撃戦がショボい出来になるのが目に見えるからです。
 
また、本作レベルの肉弾アクションをこなせるほど、格闘レベルの高い有名日本人俳優が少ないのも製作のネックになります。カリ、ジークンドー、USA修斗のインストラクター資格を有し、『図書館戦争』でキレの良い動きを見せた岡田准一であれば、集客力も含めて期待できるのですが、R指定の暴力描写有りではジャニーズ事務所が首を縦に振らないでしょう。本作と同じジャンルでは、日本はインドネシアよりスゴくないですねえ。
 
★★★★☆(2018年1月24日(水)DVD鑑賞)
 
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