70年前、ある町で全住民の集団消失事件が発生。闇に葬り去られた事件の真相を暴くため、テディたちは鍵となる森へと足を踏み入れるが、そこでは想像を絶する恐怖が彼らを待ち受けていた(KINENOTEより引用)。2010年製作で、日本劇場未公開作品。監督はアンディ・ミットンとジェシー・ホーランドで、出演はマイケル・ラウリノ、アネッサ・ラムジー、アレックス・ドレイパー。
邦題の「リクイッド・ウッズ(Liquid woods)」は、液体の林すなわち樹海という意味でしょう。しかし、原題は「Yellow blick road(イエロー・ブリック・ロード)」で、黄色いレンガの道という意味になり、全く異なるイメージになります。
一応どちらも劇中の台詞にある言葉なので、テキトーに付けたとは言えません。黄色いレンガの道は主人公たちが進む道の名前で、『オズの魔法使い』へのオマージュらしいです。その他のどこに『オズの魔法使い』へのオマージュがあるかは分かりませんでしたが(カカシみたいな死体は出てきました)。
初めは呑気なピクニック気分の調査チームですが、コンパスやGPSなどの計器が故障し、謎の大音量の音楽が聞こえるようになってから、次第に狂っていきます。殺したり、自殺したり、裏切ったり、仲間割れしたりとチーム崩壊です。しかし、悲惨な話であるにもかかわらず、その様子が淡々としているので、怖くありません。ホラー映画としては欠陥品です。
結局チームは全滅したのでしょうが、大音量の音楽を流したのは誰かなど謎のままで終わる部分があります。また、危機的状況にあるテディ(マイケル・ラウリノ)とメリッサ(アネッサ・ラムジー)が何回もセックスするのも意味不明です。
おそらく本作の(脚本も兼務する)監督二人は、謎多きストーリーと単なる説明能力不足を勘違いしているのでしょう。それを「分からないのは何か巧妙に仕掛けられた謎があるから」と深読みし、過大評価する者がいるから困ったものです。本作は、ただのポンコツ映画です。
★☆☆☆☆(2018年1月17日(水)DVD鑑賞)
たまにハズレ映画を観ておくと、自分の価値基準を調整できます。