
新聞記者植松は、友人の発明狂谷井の発明した万能複写機で1万円をコピーしたところ、ニセ札を発見。国際ニセ札偽造団が日本に魔の手を延ばしていることを知った。植松の命を狙う国際ニセ札偽造団だが、植松は谷井の妹悦子に夢中。そのとき、悦子がなにものかに誘拐される。独自の捜査で悦子を探す植松と谷井。だが、その怪しい行動が誤解を招き、警察からも追われるハメになってしまう(Yahoo!映画より引用)。1965年公開作品。監督は古沢憲吾で、出演は植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸、団令子、越路吹雪、ザ・ピーナッツ。
タイトルはシンプルに「大冒険」です。「クレージーの」は付きません。「クレージーキャッツ結成十周年記念」という冠が付いているので、重複してクドくなるのを避けたのでしょう。
コメディ映画でありながら、かなり大掛かりなアクションシーンが満載です。主人公である植松役の植木等は、全アクションシーンをスタントマン無しで演じたそうですが、本当でしょうか。そうだとすれば、植木はバスター・キートンの後継者であり、ジャッキー・チェンやトム・クルーズの先達ということになります。まあ、トム・クルーズは「アメリカ一の無責任男」みたいな映画に出ないでしょうけど。
アクションだけでなく、特撮シーンにも力を入れています。何しろ特技監督は円谷英二ですから。後半に登場する潜水艦で、その技術を見ることができます。しかし、終盤の砲撃シーンは他の記録映画からの借り物であり、そこは製作費をケチったのかと疑います。
本作の国際ニセ札偽造団の正体が、ナチスであるという展開は驚きです。実はヒトラーが生きていたなんて、荒唐無稽にも程が過ぎます。現在の日本でナチスをネタにすると、欅坂46みたいに大バッシングを受ける可能性があるので、当時だから許されたであろう大胆なネタです。
そして、タイトルどおりの大冒険があり、世界大戦勃発の危機になりながらも、ドタバタやっている間にそれを回避し、クレージーキャッツの歌でシメるという強引さも、当時だから許されたのでしょう。
★★★☆☆(2017年12月13日(水)テレビ鑑賞)
森繫久彌が総理大臣役でカメオ出演しています。