
埼玉県所沢市で暮らす大家族・浦一家は、一見明るい健康的な家庭に見えるが、長女の家出や長男のひきこもり、家庭内暴力など様々な問題を抱えていた(映画.comより引用)。2009年公開作品。監督はベロニカ・アディソン。
ある事情があって、お蔵入りになった大家族ドキュメンタリー『放送禁止2 ある呪われた大家族』の続編です。その事情とは、浦(うら)一家の主である父親の失踪です。本作は失踪という不幸な出来事から7年後の浦一家を追っています(ちなみに不在者の生死が7年間明らかではないとき、裁判所の失踪宣告により法律上死亡したものとみなされます。その場合、不在者が加入していた生命保険金が支払われることになります)。
父親の失踪後、浦一家は母親が支えています。その浦一家に新しい父親になろうと純夫がやって来ます。野球好きで金属バットをブンブン振っていた長男はひきこもりです。純夫を一家に加えることを拒むかのように三女は家庭内暴力をふるいます。母親に協力的だった長女は家を出てから借金を背負い、風俗店で働いています。なかなかのワケあり家族です。
まるでパズルのように複雑な家族を一つにしようと純夫は尽力します。次男がベランダから転落した時も、路地が狭くて入って来られない救急車の所まで、純夫は次男を背負って駆けていきます。そんな純夫と家族たちの姿を、母親はしっかりと見守っています。
長女が家に帰り、三女が改心して家庭内暴力を止め、ひきこもりの長男も一緒に一家総出でキャンプに出掛けることになります。家族は一つにまとまるのでしょうか。その顛末を観察してきたベロニカ・アディソン監督は、日本語を全く話せないのに、浦一家を「サイコー!」と評します。
皆さんにも大家族の「浦」を隅々まで見てもらいたいです。
★★★☆☆(2017年6月3日(土)DVD鑑賞)
「モキュメンタリー」という言葉を知っていますか?