
あることがきっかけで強い洗脳を受け、幸せな家庭を崩壊させた元主婦・江上志麻子に何が起こったのか、その真相を解き明かすため、心理セラピストの小田島霧花は志麻子の洗脳を解くことを試みる。霧花の親友でもあるビデオジャーナリストの鷲巣みなみは、その過程をカメラで追うが……(映画.comより引用)。2014年公開作品。監督は長江俊和。
江上志麻子を洗脳したのは、カリスマ主婦ブロガーの久慈マリアです。マリアの企みで志麻子は愛する息子である乃里(のり)を失い、煙草の不始末による不審火で家を焼失します。火事は放火の疑いもあり、犯人が誰かは不明です。志麻子に関係する喫煙者は鷲巣みなみと、志麻子の元夫である五十嵐猛ですが……。
脱洗脳の過程で事態は二転三転します。いないはずの乃里の足音や声まで記録されるというオカルト的展開まであります。
途中で脳機能学者である苫米地英人のコメントが挿入されます。それによると、洗脳を解くためには手の込んだ仕掛けが必要なようです。一人ではなく家族を含めたチームによる方法や、時には役割を演じるロールプレイングによる方法まであるのでしょう。
志麻子は「邪悪なる鉄のイメージ(eviL iroN imagE)」から解き放たれるのでしょうか。画面の隅々まで目が離せない作品です。
★★★☆☆(2017年6月8日(木)DVD鑑賞)
本作のテーマは「事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない」です。
本作の長江俊和監督の小説『出版禁止』もいかがでしょうか。二度読んでみたくなります。