【映画評】フューリー | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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元アメリカ諜報員ピーターは誘拐された息子ロビンを追って、シカゴへやってくる。ピーターの同僚だったチルドレスは超能力者だったロビンを諜報活動に利用しようと企んでいたのだ。一方、シカゴで暮らしていた少女ギリアンもまた超能力の持ち主だった。ピーターはギリアンの存在を知り、彼女の協力でロビンを捜し出そうとするが……(映画.comより引用)。1978年日本公開作品。監督はブライアン・デ・パルマで、出演はカーク・ダグラス、ジョン・カサヴェテス、キャリー・スノットグレス、チャールズ・ダーニング、エイミー・アーヴィング、アンドリュー・スティーヴンス。
 
超能力少女という設定から、キャリー』の「柳の下のドジョウ」狙いと邪推してしまいます。ブライアン・デ・パルマは、アルフレッド・ヒッチコックみたいなサスペンス演出ができれば満足なので、題材にこだわらず監督オファーを受けたのでしょう。
 
デ・パルマはワンカット長回しを多用しながら、緊迫するシーンでは短いカットをスピーディーに繋げています。そのメリハリの効いた演出が観客のサスペンスを煽ります。
 
超能力少女ギリアン(エイミー・アーヴィング)が脱走するシーンをスローモーションにする演出は、後の『アンタッチャブル』での「階段落ち」シーンを思わせます。「いつも変わらぬ老舗の味」と呼んでもいいデ・パルマです。
 
一見繋がりのなさそうなピーター(カーク・ダグラス)のエピソードと、ギリアンのエピソードが徐々に一つになっていく展開も、観客を映画に引き込みます。そして、引き込んだ末に衝撃のラストを見せてくれます。『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』のようでもあり、『スキャナーズ』の先取りのようでもあるラストシーンです。最後の最後で観客を驚かそうとする点で、やはり『キャリー』の二番煎じ感を否めなくなっています。
 
★★★☆☆(2016年11月23日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
 
衝撃のラストシーンは、特殊メイク担当のリック・ベイカーの仕事でしょう。Good job!
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