桑田佳祐のニューシングル『君への手紙』(初回限定盤)を購入しました。
全4曲入りで、前作『ヨシ子さん』中の4曲全てにタイアップが付いたのに対し、本作は表題曲の「君への手紙」のみタイアップが付いています。近年の桑田は、タイアップが付くことで“お題”を与えられ、それに合った楽曲を作るという形でモチベーションを高めています。そうであれば、タイアップが少ない本作は、桑田の内から出たモチベーションによって作られたということもできます。
じっくり聴いてみたところ、4曲中で“イロモノ”感の強い「悪戯されて」と「メンチカツ・ブルース」について私個人の感想文を2回に分けて書いていきます。曲とは直接関係ないことを書くかもしれませんけど、それも含めて私の感想です(各曲の歌詞は“桑田佳祐ニューシングル「君への手紙」スペシャルサイト”で御覧になれます)。
「悪戯されて」は昭和歌謡テイストたっぷりな曲で、ミュージックビデオも昔のベタなサスペンスドラマ調で作られています(広末涼子があんな役を演じられる歳になるなんて、感慨深いものがあります)。
桑田が先日(11月25日)放送のミュージックステーションで同曲を披露した時、前川清の歌真似を入れていました。桑田は前川の歌い方が大好きで、2011年の年末ライブで“ひとり内山田洋とクール・ファイブ”のVTRをわざわざ作って披露したり、2013年リリースの「おいしい秘密」でも前川の歌真似を取り入れたりしています。
しかし、前川は自分の歌が上手いと一度も思ったことがなく、あくまで仕事として歌っているというスタンスの、プロの歌手としては変わった人なので、おそらく桑田の前川へのリスペクトは一方的な片思いになっているでしょう。
それでも桑田の前川への思いは萎えることなく、11月30日に発売されるブルーレイ&DVD『THE ROOTS 〜偉大なる歌謡曲に感謝〜』には「東京砂漠」のカバーが収録されています。同作は、桑田が“東京”をテーマにした昭和の名曲をカバーするWOWOWの特別番組をソフト化したもので、この番組に取り組んだことが「悪戯されて」を創作するモチベーションになったと思われます。
桑田佳祐「THE ROOTS 〜偉大なる歌謡曲に感謝〜」スペシャルサイトはこちらから