【映画評】007 消されたライセンス | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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中南米を舞台に、ライセンスを剥奪されたジェームズ・ボンドが友情のために戦う姿を描く(映画.comより引用)。1989年日本公開作品。監督はジョン・グレンで、出演はティモシー・ダルトン、キャリー・ローウェル、ロバート・ダヴィ、タリサ・ソト、アンソニー・ザーブ。
 
“無免許”ボンド(ダルトン)が麻薬王サンチェス(ダヴィ)を追い詰める、人気シリーズ第16作です。サンチェスの手下ダリオを若きベニチオ・デル・トロが演じ、無残な死に様を見せます(本作は意外とグロ描写が多いです)。
 
サンチェスの取引相手である中国人は、実は香港の麻薬捜査官なのですが、何故か忍者スタイルで戦います。しかも、その麻薬捜査官を演じるのは日系人俳優のケイリー・ヒロユキ・タガワです。随分と誤解があるアジア像ですが、『007は二度死ぬ』を観ているので、そのアバウトさも『007』らしさとして受け止められます。
 
劇中で「ボンドは一度結婚している」旨の台詞があります。これは本作のボンドが『女王陛下の007』と繋がっていることを意味します。実はダルトンは『女王陛下の007』の主演オファーを断った過去があり、それを意識した設定だと考えられます。
 
また、本作のボンドは諜報機関の任務ではなく、個人的復讐がモチベーションになっています。これは亡き恋人ヴェスパーへの私情を引きずる、ダニエル・クレイグ版『007』シリーズにおける人間的なボンド像に繋がります
 
本作は『007』シリーズの中で異色作という評価があります。しかし、シリーズの前後をリンクさせる重要な一作でもあるのです。
 
★★★☆☆(2016年11月3日(木)DVD鑑賞)
 
ティモシー・ダルトンは本作でボンド役を卒業しました。
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