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1916年のメキシコのとある村を舞台に、悪党一味から人々を助ける“サボテン・ブラザース”の活躍を描く(映画.comより引用)。1987年日本公開作品。監督はジョン・ランディスで、出演はスティーヴ・マーティン、チェビー・チェイス、マーティン・ショート、アルフォンソ・アラウ、トニー・プラナ、パトリス・マルティネス。
“サボテン・ブラザース(本当はスリー・アミーゴス)”は西部劇のヒーローで、彼らを演じた役者が勘違いによって、悪党一味に襲われた村の人々を助けるというコメディです。困った村を他所者が救うという設定は、『荒野の七人』や、その元ネタである『七人の侍』を思わせます。
また三谷幸喜は、自身が脚本を書いたテレビドラマ『合い言葉は勇気』で、本作の設定を流用することでオマージュを捧げています。『合い言葉は勇気』は、売れない役者が弁護士になりすまし、村の危機を救う話ですから(三谷が監督も務めた映画『ザ・マジックアワー』も似たような設定を用いています)。
『ブルース・ブラザース』も手がけたランディス監督は、コメディもミュージカルもアクションも撮ることができる器用な職人です(本作の邦題は『ブルース・ブラザース』にあやかったのでしょう)。コメディの中に大掛かりなアクションシーンを入れるのは、ザ・ドリフターズのコントのオチでセットが倒壊する時のような爽快感があります。残念なことに、『トワイライトゾーン/超次元の体験』撮影時にヴィック・モローの死亡事故を起こしてからは、無茶をしなくなったような気がします。
“サボテン・ブラザース”の三人組(マーティン、チェイス、ショート)が旅をするシーンは、虚構性が強まります。野営するシーンでは動物たちも歌います。(本当にうるさい)歌う木や透明剣士というファンタジックな存在が登場します。これは三人組が映画という虚構の世界にいることを意味しています。最後に悪党一味を成敗する方法は、彼らが映画の中で使ったものですから、虚構の映画が現実の暴力を制したと言えます。映画がナチスを倒す『イングロリアス・バスターズ』にも通じる、映画至上主義が本作にも感じられるのです。
★★★☆☆(2016年5月27日(金)DVD鑑賞)
“スリー・アミーゴス”は『踊る大捜査線』シリーズで用いられ、それも本作へのオマージュです。