私、知っちゃったんです。織田信長は下戸で甘いもの好きだったことを。
宣教師のルイス・フロイスは、信長と二十回近くも面会しており、その時に信長が酒を飲まなかったことを書き残しています。また、宣教師が信長のところに贈り物を持っていくと、南蛮渡来の砂糖菓子(コンフェイトス)を喜んで受け取り、要らないものは返してよこしたそうです。
信長は美濃の干し柿を好んで食べていたそうです。フロイスは信長から「干した無花果(イチジク)」を贈られたそうですが、これは干し柿のことです。自分が好物だからという理由で、異国の人にそれを押し付けるのはどうかと思いますが、信長らしさが出ています。
一番槍の功名を立てた武将、村井長頼に干し柿五つと自分が被っていた南蛮笠を与えたという話もあります。南蛮笠はともかく、干し柿五つは貰って嬉しいものでしょうか。当時の干し柿に、現代で言うところの千疋屋のメロン並みの価値があれば、嬉しいでしょうけどね。もしそれほどの価値が無くても、信長からの褒美は喜んで受け取らないといけません。「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」の怖い人ですから。
信長は比叡山を焼き討ちし、坊主や女子供を大量虐殺しました。その様子を酒を呑み、高笑いしながら見物していれば、映画やドラマで良いシーンになります。しかし、実際は甘いものを頬張り、高笑いしながら見物していた可能性が高いです。それはそれで、サイコな匂いがして怖いシーンになりますけど。
このまま話をダラダラと続けても実りがなさそうなので、2011年冬の岐阜旅行で撮影した金の信長像の写真を貼って終わりにします。金のノブナガは1個で、銀のノブナガは5個で“おもちゃの缶詰”と交換してもらえるそうです(嘘)。

参考文献:鈴木眞哉『戦国武将のゴシップ記事』PHP新書