
西部きっての荒くれ者が、命を助けてもらった牧場一家との交流を通じて改心していく西部劇。1949年日本公開作品。監督はジェームズ・エドワード・グラントで、出演はジョン・ウェイン、ゲイル・ラッセル、ハリー・ケイリー、アイリーン・リッチ、ブルース・キャボット。
ジョン・ウェインが製作と主演を兼ねています。日本で言えば、三船敏郎、石原裕次郎、勝新太郎などのスター俳優と同じやり方です。
大掛かりな牛泥棒のシーンに、西部劇定番の酒場での乱闘シーンもあります。しかし、争いごとをしない主義のクエーカー教徒である牧場一家の、ほのぼのとした日常生活の描写に時間を使っています。牧場の動物たちの姿に心が和みます。
西部劇の世界観は殺伐としていることが多く、マカロニ・ウエスタンに至っては、荒れた町に生活感がありません(イタリア人がアメリカ庶民の生活をリアルに描くのは難しいでしょうから)。その意味で、本作は異色の西部劇と言えます。
ならず者ガンマンが足を洗い、平和な生活に帰っていくという物語は、クエーカー教の影響もあるのでしょうが、製作当時(1947年)、第二次世界大戦が終わり、平和なマイ・ホームに帰ろうというアメリカ国民の自然な感情を反映したもののような気もしました。
★★★☆☆(2016年1月7日(木)DVD鑑賞)
本作は暴力描写が大人しいので、ファミリー向け映画です。