正月映画頂上決戦は「妖怪ウォッチ」に軍配、「スター・ウォーズ」は2位発進
「スター・ウォーズ フォースの覚醒」優勢の予想を覆し、人気アニメの第2弾「映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!」が初登場1位を獲得した。全国434スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員97万4557人、興収10億5780万8800円を記録。これは昨年12月20日より公開され、15年度邦画No.1の興収78億円をあげた前作「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」の興収比64.9%の成績。そう、昨年の「妖怪ウォッチ」1作目は、オープニング2日間で興収16億2800万円を叩き出していたのであった。
他の作品が「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を避ける中、真っ向勝負を挑んだ「妖怪ウォッチ」が、ハイレベルなオープニング対決を制した。妖怪メダルとカードが付いた劇場前売券は最終的に102万4825枚を記録し、2年連続で100万枚を突破。さらに入場者にも映画最重要キャラクターのメダルがプレゼントされるとあって、子どもたちが大挙して劇場に詰め掛けた模様。最終興収で60億円は超えてきそうな出足。
世界各国で記録的なオープニング成績が続出している「スター・ウォーズ フォースの覚醒」は、日本では初登場1位を獲得することが出来なかった。12月18日より全国958スクリーンで公開され、土日2日間で動員80万0258人、興収12億4502万3900円の成績。ただ、興収では「妖怪ウォッチ」を上回っており、3日間では動員104万4330人、興収16億1934万円を記録。興収254.8億円を記録した「アナと雪の女王」のオープニング成績を抜いている。
今年も「ベイマックス」「シンデレラ」「インサイド・ヘッド」「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」と、大ヒット作を連発したディズニーが配給する「スター・ウォーズ」最新シリーズ第1弾として期待されたが、アニメが強い日本の映画マーケットを象徴するスタートとなった。
とはいえ、15年の正月興行は年明けに「ベイマックス」が「妖怪ウォッチ」から首位を奪って6週連続1位を記録している。世界で大ヒットスタートの情報と鑑賞後の高い満足度が口コミで広がれば鑑賞意欲が高まり、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」は体感型シアターの4DX、MX4Dや、3D、IMAXといった多様な鑑賞形態で上映されることから、年末年始の興行次第では、興収はもちろん動員でも「妖怪ウォッチ」を上回ってくる可能性は充分にある。
【ここから私のコメント】
「映画の出来と興行収入は必ずしも一致しない」という思想の持ち主である私ですが、『妖怪ウォッチ』が『スター・ウォーズ』最新作に「初登場1位」の称号を与えなかったことに注目してみました。
ルーカス・フィルムを買収したディズニーは、その強大な力(フォース?)を用いた大宣伝で、『スター・ウォーズ』を大成功に導こうとしています。他社とのタイアップや、テレビなどのメディア攻勢は「大規模物量作戦」と呼んでも差し支えないでしょう。公開初日(18日)は、NHK「7時のニュース」でも取り上げていました。他に報道すべきことがあるでしょうに。
『妖怪ウォッチ』の勝利は、素直に喜べないでしょう。ランキングは週末の土日が対象で、金曜日が初日の『スター・ウォーズ』は、客足が分散したというハンデを背負っています。金曜日に『スター・ウォーズ』を観に行った客が、土日に集中していたら、結果は変わったかもしれません。また、特典付き劇場前売券に入場者メダルプレゼントという、AKB48並みに貪欲な特典商法まで使っています。こうして「握手券目的にCD爆買い→握手券を抜いたら転売又は廃棄」というダメな大人予備軍が育つわけです。
口コミで評価が広まって、『スター・ウォーズ』が盛り返す可能性はありますが、冬休みに入れば、平日でも子供が来場できるので、まだ分からないでしょう。
以上、これが映画界の現状です。
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