
無法地帯と化したデトロイトで潜入捜査を行なっていた刑事ダミアンは、捜査中のマフィアが中性子爆弾を奪って起動させたとの情報を入手。爆発までのタイムリミットが10時間にせまるなか、恋人をマフィアに拉致された男リノとともに、300万人のデトロイト市民を守るべく立ちあがる。しかし事件の裏には、政界をも巻きこんだ巨大な陰謀が潜んでいた(映画.comより引用)。2014年日本公開作品。監督はカミーユ・ドゥラマーレで、出演はポール・ウォーカー、ダヴィッド・ベル、RZA。
リュック・ベッソン製作・脚本のフランス映画『アルティメット』の英語リメイク版です。『ニキータ』が『アサシン』になったのと同じようなことです。ベッソン印の作品なので、肉体アクション、ガンアクション、カーアクションとアクションてんこ盛りの娯楽作品に仕上がっています。
本作の肉体アクションは、エクストリーム・スポーツ「パルクール」をベースにしており、その第一人者がダヴィッド・ベルです。素人の私には、パルクールは「他人の家の屋根上を駆け回る迷惑な悪ふざけ」にしか見えません。しかし、『ボーン・アイデンティティー』の『ボーン』シリーズ、トム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』シリーズ、更には『007』シリーズにまで影響を与えており、アクション映画に革命を起こしたと言えます。
ストーリー自体は単純で、ベッソンの“中学男子魂”を感じることができます。『爆裂都市 BURST CITY』を撮っていた頃の石井聰互と頭の中身は大差ありません。特に、剃刀を武器とするビッチな女性キャラクターに、「レイザー」と名付けるセンスは凄いです。レイザーは英語でカミソリのことですからね。武器を名前にするなんて、『スケバン刑事Ⅱ』の「ビー玉のお京」と同じ発想です。変に賢いふりをせず、B級路線に走れば、ベッソンは面白さを発揮するのです。
★★★☆☆(2015年12月9日(水)DVD鑑賞)
素人がパルクールの真似事をしてネットに動画投稿すると、炎上するので止めましょう。