
メキシコ国境の寂れた町。マリアという商売女を助け、町を牛耳る権力者の一派を皆殺しにした流れ者ジャンゴは、革命軍と共にメキシコ政府の金を奪うが……(Yahoo!映画より引用)。1966年公開作品。監督はセルジオ・コルブッチで、出演はフランコ・ネロ、ロレダーナ・ヌシアク、エドゥアルド・ファヤルド、ホセ・ボダロ、アンジェル・アルヴァレス。
本ブログタイトルの元ネタでもある、ジャンゴが主人公です。三池崇史監督の『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』や、クエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』など、数多くのフォロワーを生んだマカロニ・ウエスタンの傑作です。
主題歌が印象的です。冒頭、棺桶を引きずりながら荒野を進むジャンゴの後ろ姿に、「♪ジャンゴ~」という歌声が乗ると、何か胸にグッとくるものがあります。ちなみに、先述の『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』で主題歌を歌うのは、北島三郎です。男祭りですね。
本家であるアメリカ製西部劇にない、残虐描写やダーティー感が売りです。血糊の量は多く、ナイフで耳を削ぐシーンまであります。南軍の残党やメキシコ革命軍が悪漢なだけでなく、ジャンゴも正義漢とは言えないキャラクターです。隠し持った機関銃で皆殺ししたり、敵から黄金を奪って逃走したりします。アメリカの正義など解さないイタリア人が作ったので、むき出しの人間らしさが前面に出ています。
アメリカ南部のメキシコ国境付近は、ラテン色が強い土地柄です。例えば(テキサス州)サンアントニオや(カリフォルニア州)ロサンゼルスという地名は、スペイン語由来です。カウボーイハットの原型はスペイン風の帽子で、ロデオで度胸試しする精神はスペインの闘牛に通じます。そのため、同じラテン系のイタリア人が西部劇を作っても、大外れした内容にならなかったのかもしれません。
ジャンゴの拳銃の腕が異常だったりと、荒唐無稽な部分もありますけど、勢いで押し切っています。鑑賞してから、しばらくの間は頭の中で「♪ジャンゴ~」の主題歌が流れます。
★★★★☆(2015年6月16日(火)テレビ鑑賞)
クリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒』と本作につながりはありません。