
野心に燃えて田舎から出てきた青年が、上流階級入りをするため、妊娠した同僚女性の殺害を図るまでに至る「アメリカの悲劇」。1952年日本公開作品。監督はジョージ・スティーヴンスで、出演はモンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタース。
主人公が上流階級のパーティーに招待されても、馴染むことができず、一人ぼっちになる様子は、都会に出た地方出身者であれば、共感できるはずです。そのようなイケてない地方出身者をクリフトが演じているから、説得力があります。もっとチャラついた陽気なタイプの役者だと、しっくりといかなかったでしょう。
青年の住む世界(日陰)と上流階級の世界(陽のあたる場所)のコントラストが、照明や美術により、くっきりとつけられています。本作はモノクロ作品ですので、そのコントラストは、より際立ちます。そして、その明暗の深さが、現実社会の光と闇の深さも表しているのです。
★★★☆☆(2015年1月24日(土)DVD鑑賞)
これから卒業して「陽のあたる場所」に出る方へ名作のプレゼントを