【映画評】陽のあたる場所 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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野心に燃えて田舎から出てきた青年が、上流階級入りをするため、妊娠した同僚女性の殺害を図るまでに至る「アメリカの悲劇」。1952年日本公開作品。監督はジョージ・スティーヴンスで、出演はモンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタース。
 
主人公が上流階級のパーティーに招待されても、馴染むことができず、一人ぼっちになる様子は、都会に出た地方出身者であれば、共感できるはずです。そのようなイケてない地方出身者をクリフトが演じているから、説得力があります。もっとチャラついた陽気なタイプの役者だと、しっくりといかなかったでしょう。
 
出世のために恋人を殺すという筋書きは、『東海道四谷怪談』と同じで、古今東西の王道ストーリーです。恋人ではなく、秘密の過去を知る人を殺すという筋書きならば、『飢餓海峡』や『砂の器』とも共通しています。
 
青年の住む世界(日陰)と上流階級の世界(陽のあたる場所)のコントラストが、照明や美術により、くっきりとつけられています。本作はモノクロ作品ですので、そのコントラストは、より際立ちます。そして、その明暗の深さが、現実社会の光と闇の深さも表しているのです。
 
★★★☆☆(2015年1月24日(土)DVD鑑賞)
 

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