日本経済で喫緊の課題は、デフレ脱却です。物価の低下は、賃金の低下、所得の低下になり、更なる物価の低下をもたらします。この負の連鎖を断ち切ることにより、国民所得は上昇し、日本経済は回復します。
デフレすなわち物価の低下は、どうやって起こるのか? 私の拙い経済学の知識を総動員すれば、供給>需要の状態で起こると言えます。ヤフオクでも実感できます。希少品には買い手がたくさん付き、価格が上昇しますが、ありふれた商品には買い手がつきません。結果として、ありふれた商品は落札開始価格を下げざるを得なくなります。
国内経済の場合、需要に含まれるのは民間消費、民間投資、政府支出です。市場経済が正常に機能していれば、民間の努力により需要を高めることができます。しかし、民間の努力が足りない場合、政府支出すなわち公共事業支出を増加させることで需要を高めることになります。歴史的に見れば、アメリカのニューディール政策が有名ですね。
中東インフラ受注後押し 首相歴訪に46社同行
【カイロ=坂口幸裕】中東歴訪中の安倍晋三首相はトップセールスによる経済外交に再び乗り出した。今回訪れる4カ国・地域には銀行や商社、ゼネコンなど日本から計46社の幹部らが同行。地下鉄や空港など現地のインフラ整備を日本企業が受注できるよう後押しする。日本が多くのエネルギーを依存する中東の経済成長を支援し地域の安定につなげる狙いがある(日本経済新聞電子版2015年1月18日付から引用)。
一般的には、公共事業は道路やトンネルなど交通インフラの建設、ダムや堤防など防災設備の建設がありますが、戦争も公共事業の一つです。何しろ大量の武器や物資を消費しますから、需要は急速に高まります。どん底まで落ちた戦後日本経済は、朝鮮特需による景気回復を、高度経済成長の足がかりにしました。
昨年末の衆議院選挙の時、安倍首相は「アベノミクスの是非を問う」選挙と意味付けておきながら、選挙に勝利した後、憲法改正を進めることを口にしたことで、公約違反だと非難を受けました。しかし、「戦争ができる国」づくりのための憲法改正ならば、公共事業支出の増加でデフレ脱却を図るための一方策ですから、アベノミクスの是非とは関連します。野党やマスコミが掲げた「大義なき選挙」という意味付けが間違いで、国家の根幹を揺るがす大義はあったのです。
それにしても、愛国心だの人道支援だの言っても、世の中やっぱりお金よね~(志村けんと柄本明のベテラン芸者コントの口調で)。