【映画評】紅の拳銃 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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殺し屋にスカウトされた男とギャングの世界を描く日活アクション・ドラマ(1961年公開)。監督は牛原陽一で、出演は赤木圭一郎、笹森礼子、垂水悟郎、芦田伸介。
 
主演の赤木は、次回作撮影中にゴーカート事故で夭折していますので、本作が遺作となります。享年21歳です。彼の風貌や雰囲気の大人っぽさを見ると、最近の日本人は幼くなったと痛感します。嵐のメンバーは、赤木の10歳上なんですよ。
 
殺し屋や拳銃使いという非現実的な設定に説得力を持たせるため、美術セットを工夫しています。本作で拳銃が映るシーンは、汚しがかかっていない洋室です。非現実的な空間で非現実的な話をしても、一種のファンタジーとして整合性があるのです。対照的に、赤木演じる中田が盲目の菊代(笹森)と心を通わすシーンは、当時の日本人にとって日常的な和室です。殺し屋修行中の中田が心の平穏を得て、菊代に人間らしい一面を見せるのは、現実的な空間の方に説得力があるのです。
 
本作は、前半はだれることなく進み、後半に御都合主義的な裏切りやドンデン返しが連続します。結果として、全体的にスピーディーな映画になっています。御都合主義だらけの日本の昼ドラや韓流ドラマが人気なのですから、そこに文句を付けるのは野暮というものです。
 
★★★☆☆(2014年12月27日(土)DVD鑑賞)
 
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