【映画評】素晴らしき哉、人生! | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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アメリカの良心を描いたメルヘンチックなヒューマンドラマの傑作(映画.comより引用)。アメリカ公開は1946年で、日本公開は1954年。監督はフランク・キャプラで、出演はジェームズ・スチュワート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア。
 
アメリカでは、毎年クリスマスになるとテレビ放映されるそうです。日本で言えば、山下達郎の「クリスマス・イブ」並みに定番の風物詩です。クリスマスらしく天使(ヘンリー・トラヴァース)が出てきますが、さえない外見であるのは『ベルリン・天使の詩』など後世の作品に影響を与えています。
 
2時間超という尺を感じさせないほど、ストーリー展開はテンポ良く、映像のメリハリも効いています。主人公のジョージ(スチュワート)が「自分のいない世界」にいる時の転調は、演出の巧さで表現されています。現代のカラー映画では、色調などの映像技術でそれを表現しようとし、陳腐な結果になることがあります。モノクロ映画の表現を過去の遺物としか見られない者は、己の浅薄さを恥じるべきです。
 
バリモア演じるポッターが憎々しいです(本当は可哀想な人なのですが)。公開当時の映画では、ポッターみたいな人間は悪役なのですが、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』では、主人公かつ成功者になってしまうというのが、現代アメリカの実情です
 
実は12月25日にイエスが生まれたとは聖書のどこにも書いておらず、ローマ帝国の古い暦で冬至に当たる、その日をクリスマスと定めたのです。冬至を境に、季節は生命が息吹く春に向かいます。すなわち冬至は「死と再生」を象徴する日であり、ジョージが人生観の転機を迎えて再スタートを切る、本作がクリスマス映画の定番であることに納得できるのです。
 
★★★★☆(2014年12月13日(土)DVD鑑賞)
 
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Yahoo!ブログ「行政書士ふじまるの趣味のページ」http://blogs.yahoo.co.jp/fujimaru80/8012576.html
 
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