衆院選を前に政治家と公務員の関係について思う | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

安倍晋三首相が言うところの「アベノミクス解散」により、来月、衆議院議員総選挙が行われます。主たる争点は「アベノミクスの是非」ですが、そもそも今年4月から消費税を増税したのですから、アベノミクスが上手くいくわけがありません。所得増加による消費活性化が肝心のアベノミクスと、出費増加で消費減退化をもたらす消費税増税を同時に行うのは、自動車のアクセルとブレーキを一緒に踏むようなものです。自動車の前進=経済成長は望めません。
 
消費税増税という政策の仕掛け人は財務省官僚です。彼らが(国民生活の実態ではなく)机上の書類に書かれた数字だけを見て、「歳入不足を補うのは増税だ!」と馬鹿の一つ覚えの前例踏襲で決めたのです。そして、政治家、マスコミ、御用学者を言いくるめ、「消費税増税しないと財政破綻する」というムードを日本中に蔓延させてきたのです。
 
さて、財務省官僚から村役場の職員に至るまで、日本には多数の公務員がいます。そして、彼らの前例踏襲体質は度々批判の対象になり、公務員が自分の頭で考え、オリジナルの発想をすることが奨励されたりします(都知事時代の石原慎太郎の都職員に対する態度は、そんな感じだったと思います)。馬鹿言っちゃいけない。公務員は前例踏襲第一で、マニュアルどおりの仕事をすれば良いんです。オリジナルの発想なんて求めてはいけません。公務員は国や自治体という行政機関の一部で、いわば機械の一部品です。運転手がハンドルを右に切ったのに、自分の意思で左に曲がる自動車は名車ですか? それは単なる欠陥車です。その意味では、前例踏襲で消費税増税を決めた財務省官僚は、公務員としてプロフェッショナルだと思います。
 
しかし、前例踏襲ばかりでは未曾有の事態に対し、対応できないことがあります。そのために、公務員にないオリジナルの発想を持った代表者を有権者が選ぶのです。国会議員、自治体首長、地方議員は民選の政治家です。国や自治体を自動車とすれば、運転手の役割です。民意を背負った選良が巧みな「ハンドル捌き」で国や自治体を良き方向に導けばいいのです。もし悪い方向に導いたとすれば、有権者が「無免許ドライバー」や「ペーパードライバー」を選んだということです。中島みゆきの「宙船」の表現を借りれば、オールを任せてはいけない者に船を漕がせているということです。
 
来月の衆院選、そして来年の統一地方選で有権者は選択を迫られています。公務員に言いくるめられることなく、巧みにコントロールし、国や自治体を良き方向に導く舵取りを選べるかどうかです。もし、それに失敗すれば、選んだ側の無能と怠惰に責任があります。政治家の揚げ足取りや公務員バッシングで逃れられる話ではありません。