東大よ、その入試で大丈夫か
人間、一生が勉強である。とは言うものの、最も勉強するのは受験期、それも大学受験の時だろう。筆者のその時はもう、高石ともやの哀愁漂う『受験生ブルース』がはやったころではなかったが、まだ「四当五落」などという言葉が残っていた。睡眠時間を4時間にするぐらいでないと合格はおぼつかない、5時間寝るなど、受験生の生活ではないという言葉である。
受験はたいてい一発勝負。その時に体調を崩したら、それでおしまい。それが受験というものだった。今、ほぼすべての大学で複数回、受験機会がある。少子化の恩恵とはいえ、当時の厳しさを知る者には夢のような話だ。
それだけではない。学力考査を受けずに合格する大学生が増えている。平成23年度で、国公私大入学者の実に43・8%がそうだ。内訳は推薦35・1%、志望理由書や面接、小論文などで個性や適性を評価するAO入試が8・7%。これらの入試がいわば流行で、かの東京大も平成28年度から推薦入試を導入するという。
こうした流行が果たして、何を生み出すか。興味深い調査結果を京都大の西村和雄教授(今春から神戸大特命教授、大阪市教育委員)の研究グループがまとめた。
「大学入試制度の多様化に関する比較分析-労働市場における評価」がそれで、23年の時点で45歳以下の就業者6937人を入試別に、平均所得で比較したものである。45歳以下としたのは、大学入試の多様化が始まった1980年代半ばに大学入学年齢(18歳)に達した者を抽出するためだ。
その結果、学力考査を課す入試による入学者は5162人(74・4%)、課さない入試の入学者1244人(17・9%)、その他(帰国生徒入試など)531人(7・7%)。平均所得は学力考査ありが470万504円、学力考査なしが394万514円だった。所得差は国公立理系が一番大きく、579万8310円と463万3333円。この原因について調査グループは、学力考査のない入試では高校3年の秋までに入学が決定するため、3カ月から半年ほど真剣に勉強する期間が短く、大学入学時の学力差が生まれて、それが入学後の学力と就職、昇進にも影響を与えるため、と推定している。
西村氏は14年前、学力低下問題を指摘した『分数ができない大学生』を出版した人だが、専門は複雑系経済学。微分・積分の数学知識が乏しいために講義を理解できない学生が増えていることに気付き、文系学部でも入試科目で数学を軽視しないように求めた。しかし、大学当局の反応は「受験を軽くしないと、受験生が集まらない」。子供たちに迎合する教育界の兆候はすでに見え始めていた。西村氏は、受験の軽量化に警鐘を鳴らすとともに、脱ゆとり教育の必要性を説き続けた。
ゆとり教育はようやく一昨年、学習指導要領が改定されて事実上、撤回されたが、受験が骨抜きでは肝心の学力低下が改善されない。所得比較という一種過激な調査方法は、そうした危機感から行ったものだ。「入試制度を含む教育の成果を労働市場で、労働者のパフォーマンスを通じて評価するには、所得が最も客観的な指標」という学問的な判断もあった。
大学入試の多様化は昭和60年、幅広い視点から能力を評価する必要性を訴えた臨時教育審議会の答申を契機に広まった。それの目指すところは決して、学力を軽視してもよいというものではない。昨今の学力軽視入試の流行は結果的に、子供たちから勉強する意欲だけでなく、試練に耐える経験も奪っている。少子化で大切な人材だからこそ、厳しく育てる視点を大人たちは失ってはならない。(やすもと としひさ)
以上。引用終わり。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130520/edc13052011570000-n1.htm
なまじ塾の先生とかやっていると、世間から、頭が良い、と誤解されます。
こういうことを書くと、さらに、アイツは皮肉を言っている、とか言われます。
まぁ、何を言おうと、言い訳は一切許されない、マトモに聞いてもらえないような感じです。
自分は、もしも大学受験が全て5科目で勝負しなくてはいけなかったら、間違いなく落ちこぼれていたと思います。
なぜなら、私はイヤな科目は絶対にやらない人間だったからです。今も似たようなもんです。
何と言うか、私立文系という、英語・国語・世界史、という受験パターンがあって、本当に助かりました。
私は英語と世界史しか勉強しない人間と決まっていましたから、英国世の受験型でも英語と世界史だけで勝負しました。
で、何とかなりました。こんな私でも、大学に入ることができました。
で、大学で勉強することが許されたのですが、自分は大学受験前よりも大学で学んだことの方が圧倒的に多く、
大学でも自分の好きな勉強だけは、すごくマジメにやりました。
確かに経済学を勉強したときは数学をやらなかったことを後悔したこともありましたが、
とにかく、大学で勉強する機会を与えていただいたことに、本当感謝しています。
そんなわけで、上記論文を読んだ上で、
東大は、その入試で大丈夫じゃないか、
というのが、私の感想です。
昨今、何かあるとすぐに英語英語と耳にし、
英語教師であるとは言えども、生粋の日本人の私にとっては、すごく不愉快です。
英語ができなくたって、別にいいじゃないか…
学ぶ意欲のある人に、間口の広い受験型があっても、いいんじゃないかと思いました。
逆に、学ぶ意欲のない者は、すぐに労働市場に送り、淘汰すべきですね。
大学も、経営よりも教育を優先し、人材を育ててもらいたいものです。
塾も然り、ですね。









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